セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-症例1

タイトル 内P-202:

経鼻内視鏡による経胃瘻的イレウス管挿入が有効であった大腸癌腹膜播種イレウスの2例

演者 坂本 夏子(宮崎大附属病院・1内科)
共同演者 仮屋 暢人(宮崎大附属病院・1内科), 三宮 一朗(宮崎大附属病院・1内科), 原口 大(宮崎大附属病院・1内科), 三木 吾郎(宮崎大附属病院・1内科), 星子 新理(宮崎大附属病院・1内科), 松本 英丈(宮崎大附属病院・1内科), 中島 孝治(宮崎大附属病院・1内科), 芦塚 伸也(宮崎大附属病院・1内科), 稲津 東彦(宮崎大附属病院・1内科), 北村 和雄(宮崎大附属病院・1内科)
抄録 近年,経鼻内視鏡を使用したイレウスチューブ挿入が臨床に導入されている.簡便かつ安全な手技であると判断され,成功率も従来法より高いと報告されている.一方,イレウスチューブは鼻腔,咽頭の違和感を生じるため,長期留置は患者に苦痛を強いることとなる.今回,我々は,大腸癌の腹膜播種にてイレウスを生じ,胃瘻増設後,経鼻内視鏡を使用し経胃瘻的にイレウス管を挿入した2症例を経験した.
症例1は,62歳男性.直腸癌に対する高位前方切除術後に再発し化学療法を開始された.加療を継続していたが病勢悪化を認め緩和治療へと移行した.その後,腹膜播種による小腸狭窄を生じイレウスとなった.一時,経鼻イレウス管を挿入したが,その後の長期留置が必要であった.胃瘻を増設し,10日後に経鼻内視鏡を使用し経胃瘻的にイレウス管を挿入した.その後は在宅での生活が可能となった.イレウス管挿入後,約5ヶ月で永眠された.
症例2は,58歳男性.直腸癌に対する低位前方切除術後に再発し,骨盤内蔵全摘術を施行されるも再再発を認め当科紹介となった.化学療法を開始したがイレウスを生じ経鼻イレウス管を挿入した.イレウス管の長期留置が必要であり,症例1と同様に,胃瘻増設後7日目に経胃瘻的にイレウス管を挿入した.病状改善し,その後,化学療法を再開し,現在も化学療法を継続中である.
いずれの症例においても,簡便・安全に施行でき,かつ患者のQOLを損なうことなく長期留置が可能であった.若干の考察を加え報告する.
索引用語 経胃瘻的イレウス管挿入, 径鼻内視鏡