セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-症例2

タイトル 内P-206:

陥凹を伴う粘膜下腫瘍様形態を呈した胃RLHの1例

演者 西垣 信宏(磐田市立総合病院・消化器内科)
共同演者 高鳥 真吾(磐田市立総合病院・消化器内科), 伊藤 潤(磐田市立総合病院・消化器内科), 森川 友裕(磐田市立総合病院・消化器内科), 辻 敦(磐田市立総合病院・消化器内科), 高橋 百合美(磐田市立総合病院・消化器内科), 笹田 雄三(磐田市立総合病院・消化器内科), 斎田 康彦(磐田市立総合病院・消化器内科), 犬飼 政美(磐田市立総合病院・消化器内科), 松本 圭五(磐田市立総合病院・消化器外科), 落合 秀人(磐田市立総合病院・消化器外科), 鈴木 昌八(磐田市立総合病院・消化器外科), 谷岡 書彦(磐田市立総合病院・病理診断科)
抄録 【症例】60歳,男性【主訴】心窩部痛【既往歴】急性肝炎・胃潰瘍【家族歴】特記事項なし【現病歴】2012年4月から心窩部痛出現し改善ないため同年6月近医で上部消化管内視鏡施行.胃に隆起性病変を認めたため精査加療目的に当院紹介受診.胃X線検査では腹臥位二重造影で胃角前壁に辺縁平滑で立ち上がりなだらかな径20mm大の隆起性病変を認め,bridging foldを伴っていた.上部消化管内視鏡では胃角前壁に径20mm大の中心陥凹を伴う粘膜下腫瘍様病変を認めた.超音波内視鏡では第3層に主座を持つ低エコー腫瘤として描出された.腹部造影CTではこの病変は造影効果を有しており,明らかな漿膜外浸潤や周囲リンパ節腫大を認めなかった.生検を施行したが腫瘍組織が得られないため診断には至らず.外科と相談した結果,胃カルチノイドが最も疑われたため外科的手術を行う方針となった.7月腹腔鏡補助下幽門側胃切除術施行.病理組織学的検査では粘膜下層に腫瘍の主座があり一部粘膜固有層に浸潤していた.HE染色では類円形核ないしくびれのある核をもつ異型リンパ球様細胞が不明瞭な結節パターンを示し増殖していた.免疫染色ではcytokeratin(-),CD20(+),PAX5(+),CD10(+),CD5(-),bcl-2(-),bcl-6(+),MUM1(-),cyclinD1(-)でありカルチノイドではなくlymphomaが第一に考えられた.またIgHのclonalityをパラフィン標本より採取したDNA組織で検討したがclonal bandは得られず,最終的にはreactive hyperplasiaと診断された.今回我々は陥凹を伴う粘膜下腫瘍様形態を呈した胃RLHの1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 粘膜下腫瘍, 悪性リンパ腫