セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-症例3

タイトル 内P-210:

十二指腸球部内に脱出するBall Valve Syndromeを呈した早期胃癌に対してESDを施行した1症例

演者 田中 こゆき(済生会千里病院・消化器内科)
共同演者 大田 真紀代(済生会千里病院・消化器内科), 良原 丈夫(済生会千里病院・消化器内科), 真田 徹(済生会千里病院・消化器内科), 山口 大輔(済生会千里病院・消化器内科), 水野 龍義(済生会千里病院・消化器内科), 後藤 靖和(済生会千里病院・消化器内科), 奥田 偉秀(済生会千里病院・消化器内科), 堀本 雅祥(済生会千里病院・消化器内科), 鈴木 都男(済生会千里病院・消化器内科), 小島 史好(済生会千里病院・病理診断科)
抄録 【症例】87歳男性.【主訴】心窩部痛.【現病歴】心窩部痛のため当院救急外来を受診され,精査加療目的に緊急入院となった.上部内視鏡検査にて,胃体下部大彎前壁側に径40mm大の赤色調を呈する,可動性良好な有茎性ポリープ(山田IV型)を認めた.病変全体はやや緊満しており,表面構造も不整であった.生検にてGroupV(Well differentiated tubular adenocarcinoma)と診断された.腹部造影CTでは十二指腸球部~下行脚に径40mm大の腫瘤性病変を認めることから,同病変が十二指腸球部内に脱出しており,把持鉗子で胃内への還納が可能なBall Valve Syndromeと診断した.病変の境界は明瞭だが,EUS(20MHzラジアルプローブ)での観察は茎部が長いことから詳細観察はやや困難で,粘膜下層浸潤の可能性は完全には否定できなかったが,可動性が良好であることより,粘膜内癌の可能性が高いと考えた.また,心窩部痛の原因と考えられることから,高齢ではあるが治療適応と判断し,ESDを施行した.一括切除された標本は径40×30mm,病理組織結果は,Well differentiated tubular adenocarcinoma tub1,pT1a(M),ly(-),v(-),HM0VM0であった.治療後の経過は良好であり心窩部痛も消失し ,現在外来にてフォロー中である.【考察】Ball Valve Syndromeを呈する胃癌の報告は本邦でも散見されるが,外科的切除やEMRを施行された報告が比較的多い.今回,我々は十二指腸球部内に脱出するBall Valve Syndromeを呈した早期胃癌に対してESDを施行した症例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 早期胃癌, Ball Valve Syndrome