セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-症例4

タイトル 内P-212:

胃癌術後再発による多発狭窄に対して,十二指腸ステント,胆道ステント,大腸ステントを留置した1例

演者 富奥 美藤(水戸赤十字病院・外科)
共同演者 清水 芳政(水戸赤十字病院・外科), 菊池 勇次(水戸赤十字病院・外科), 伊藤 幸(水戸赤十字病院・外科), 牛窓 かおり(水戸赤十字病院・外科), 立川 伸雄(水戸赤十字病院・外科), 鹿股 宏之(水戸赤十字病院・外科), 捨田利 外茂夫(水戸赤十字病院・外科), 内田 智夫(水戸赤十字病院・外科), 佐藤 宏樹(水戸赤十字病院・外科), 古内 孝幸(水戸赤十字病院・外科), 竹中 能文(水戸赤十字病院・外科), 佐久間 正祥(水戸赤十字病院・外科)
抄録 【症例】67歳男性.2011年5月,進行胃癌の診断で幽門側胃切除,B-I再建施行.病理はmuc, Type3, T4a, N3b, M0, pStageIIIcであり,術後化学療法施行中であった.2012年8月,経口摂取困難となり,精査にて吻合部再発による狭窄と診断し,内視鏡透視下に十二指腸ステント(WallFlex Duodenal Stent, 22mm×9cm)を留置した.翌日から経口摂取が可能となり,退院後化学療法を継続した.2012年10月,経口摂取困難と閉塞性黄疸が出現し,再入院となった.局所再発の増大により,十二指腸ステントの再狭窄と下部胆管の狭窄をきたしたものと考えられた.ステントインステントと経皮的胆道ステントを同時に行うこととし,まずPTBDを施行し狭窄部をガイドワイヤーで突破,総胆管にピッグテイルカテーテルを留置した.減黄を図り,まず十二指腸ステント(22mm×6cm)を前回のステント内に留置.PTBDからガイドワイヤーを挿入し,十二指腸ステントに並べる形で胆道ステント(Epic Biliary Stent, 10mm×4cm)を留置することが出来た.2012年11月,ガストロ注腸造影検査で同部の横行結腸に狭窄を認め,内視鏡透視下に大腸ステント(WallFlex Colonoc Stent,25mm×6cm)を留置した.自宅退院を目指していたが,徐々に全身状態が悪化し,2012年12月永眠された.亡くなる数日前まで経口摂取が可能であり,イレウス管は最後まで必要としなかった.【考察】医学中央雑誌で1983年から2013年3月の期間で,「胃癌」「術後」「ステント」で検索したところ胃癌術後再発による多発狭窄に対し,本症例のように複数のステントを留置した症例は1例であった.胃癌術後再発による姑息手術は過大侵襲となる可能性が高く,単開腹に終わる場合もある.胃癌術後再発による狭窄に対して,ステントは比較的安全,容易に施行でき,患者のQOLを上げる手段になりえると考えられた.
索引用語 胃癌, ステント