セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胃-症例4
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タイトル |
内P-214:胃全摘術後に拳上空腸の通過障害に対して磁石圧迫吻合術(山内法)を施行した1例
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演者 |
冨永 敏治(国立大阪南医療センター・外科) |
共同演者 |
山内 栄五郎(国際医療福祉大), 庄野 嘉治(国立大阪南医療センター・外科), 坂口 聡(国立大阪南医療センター・外科), 前田 恒宏(国立大阪南医療センター・外科), 石田 興一郎(国立大阪南医療センター・外科), 谷島 裕之(国立大阪南医療センター・外科), 辻本 武宏(国立大阪南医療センター・外科), 木村 正道(国立大阪南医療センター・外科), 辰林 太一(国立大阪南医療センター・外科), 津村 亜矢子(国立大阪南医療センター・外科), 堀内 哲也(国立大阪南医療センター・外科) |
抄録 |
「症例」58歳,男性.「既往歴」ネフローゼ症候群,脂質異常症,てんかん「現病歴」2012年3月に食道胃接合部癌にて胃全摘,下部食道切除,脾摘,胆摘,2群リンパ節郭清,R-Y再建術を施行した.経過良好にて術後18日目に退院した.病理組織学検査結果でT3N3aM0, por>sig>muc, sci, INFc, ly2, v3のStageIIIBであった.2012年11月頃よりつかえ感と嘔吐を認め,12月に受診されたが,上部消化管内視鏡検査にて狭窄を認めず,保存的に経過観察した.しかし,症状は軽減せず,2013年1月中旬に再診され,上部消化管造影検査にて造影剤は流出側空腸へはほとんど流れず,盲管内へ貯留し,食道への逆流を認めた.著明な食欲不振と体重減少も伴っていたため入院となった.内視鏡検査では狭窄を認めなかったため,拡張術では改善が望めず,外科的再吻合術を検討したが,初回手術時に経食道裂孔的に下縦隔まで手術操作が及んでおり,左開胸開腹術が必要になる事が予想されたため,安全でかつ簡便で低侵襲である磁石圧迫吻合術(山内法)によるρ吻合を作成する方針とした.「手術所見」消化管吻合用の直径17.5mm,厚さ5mm,磁力2700ガウスの磁石を透視下内視鏡下にガイドワイヤーを用いて拳上空腸盲管内と吻合部流出側空腸に1個ずつ留置して腸管壁を挟み,磁石が吸着固定されたことを確認して終了した.「経過」磁石圧迫吻合術後12日目にρ吻合部より磁石の脱落を認め,症状が劇的に改善した.術後19日目,26日目,33日目に磁石圧迫吻合部の狭窄に対して,それぞれ内視鏡下バルーン拡張術を施行した.術後31日目に体外への磁石の排出を確認し,術後38日目に退院した.「結語」胃全摘,R-Y再建術後に拳上空腸の通過障害に対して磁石圧迫吻合術(山内法)を施行した1例を経験した.磁石圧迫吻合術は低侵襲であるため考慮すべき一法であるといえる. |
索引用語 |
磁石圧迫吻合術, 胃全摘術後 |