セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-症例4

タイトル 内P-215:

食道癌の放射線療法後に認めた出血性放射線胃炎の1例

演者 岡田 浩和(国立姫路医療センター・消化器内科)
共同演者 夜久 大晃(国立姫路医療センター・消化器内科), 壺阪 真子(国立姫路医療センター・消化器内科), 岡田 佑紀(国立姫路医療センター・消化器内科), 岡 寛章(国立姫路医療センター・消化器内科), 福岡 惠子(国立姫路医療センター・消化器内科), 池村 隆弘(国立姫路医療センター・消化器内科), 和泉 才伸(国立姫路医療センター・消化器内科)
抄録 症例は76歳男性.近医でアルコール性肝硬変の加療中,上部消化管内視鏡検査にて胸部下部食道癌を指摘され,精査加療目的に当科を紹介受診された.当院の上部消化管内視鏡検査にて食道静脈瘤Li,F2,Cb,RC(-)と,静脈瘤上に複数の表在型食道癌を認めた.胸腹部CTでは肝細胞癌や明らかなリンパ節転移・遠隔転移を認めなかったが,肝予備能が不良であり血小板数も6万/μlと低値のため,食道静脈瘤に対して内視鏡的硬化結紮術を施行後に,食道癌に対して60Gyの放射線療法を施行した.経過は良好であったが,照射開始4ヶ月後に黒色便と貧血を認めたため,上部消化管内視鏡検査を施行したところ胃噴門部に区域性に湧出性出血を伴う毛細血管拡張を認めた.放射線照射野に一致することから出血性放射線胃炎と診断し,アルゴンプラズマ凝固法で焼灼止血を計8回施行したところ完全止血に至った.放射線胃炎の報告はまれであるが,上腹部に放射線治療歴のある患者で消化管出血を認めた場合,本疾患を考慮すべきである.
索引用語 放射線胃炎, アルゴンプラズマ