セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-症例5 |
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タイトル | 内P-218:ステロイド治療で改善した胃サルコイドーシスの一例 |
演者 | 三浦 真奈美(岩手県立中央病院・内視鏡科) |
共同演者 | 松本 信(岩手県立中央病院・内視鏡科), 大方 英樹(岩手県立中央病院・内視鏡科), 天野 良彦(岩手県立中央病院・内視鏡科), 村上 晶彦(岩手県立中央病院・内視鏡科), 横山 直信(岩手県立中央病院・消化器科), 高橋 太郎(岩手県立中央病院・消化器科), 小原 範之(岩手県立中央病院・消化器科), 城戸 治(岩手県立中央病院・消化器科), 池端 敦(岩手県立中央病院・消化器科), 佐熊 勉(岩手県立中央病院・病理診断センター), 小野 貞英(岩手県立中央病院・病理診断センター), 小豆嶋 正和(小豆嶋胃腸科内科クリニック) |
抄録 | 【背景】サルコイドーシスは全身性肉芽腫形成疾患であり,胃病変はまれで,2008年まで胃以外に病変を認めない胃限局性59例と,全身性の部分症としての胃病変17例の計76例が報告されている.治療については,切除からステロイド使用,抗潰瘍剤の投与で良好な経過をたどる症例や自然寛解例など一定の結論はなく,安易なステロイド投与を控える報告もある.【症例】70歳代女性【既往歴】40歳代に子宮筋腫手術【現病歴】2012年2月に上腹部不快感,嘔気あり前医受診し,上部消化管内視鏡検査(EGD)で胃体上部に潰瘍瘢痕とびらんを認めた.ヘリコバクターピロリ菌陽性で除菌治療を受けた.その後抗潰瘍剤を投与され5月のEGDで胃体上部前壁の隆起性病変を認め,さらに7月に増大傾向を示したため精査目的に当科に紹介.【血液検査】血中アンギオテンシン変換酵素(ACE)10.8IU/I,血中リゾチーム3.8μg/mlは正常値であった.【経過】8月のEGDで胃体上部前壁に隆起する粘膜下腫瘍あり,EUSで第2層の肥厚ある病変であった.生検でサルコイドーシスの疑いであった.眼科ではサルコイドーシスの所見なし.PETでも縦隔にSUVmax4.2の軽度集積あるがその他には集積なし.ステロイドは使用せず,PPI投与のみで3か月経過みた.しかし11月のEGDではさらに病変は増大し,プレドニン20mg/日から内服開始したところ1月には平坦縮小化していた.【考案】1991年の立花ら報告手術所見49例と生検32例の内視鏡所見として,びらん・潰瘍性病変70%,粘膜浮腫20%,巨大皺壁20%,隆起性病変10%にみられ,肉芽腫が粘膜下層に存在すると潰瘍,タコイボ様隆起となり,筋層全層まで存在すると胃壁浮腫,肥厚硬化をみるとされる.すなわち全層まででは,スキルス胃癌などとの鑑別が問題となる. |
索引用語 | 胃サルコイドーシス, ステロイド治療 |