セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-症例5

タイトル 内P-220:

胃限局性アミロイドーシスの1例

演者 井川 翔子(国立岩国医療センター・消化器内科)
共同演者 田中 彰一(国立岩国医療センター・消化器内科), 宮本 和也(国立岩国医療センター・消化器内科), 皿谷 洋祐(国立岩国医療センター・消化器内科), 平田 尚志(国立岩国医療センター・消化器内科), 谷岡 大輔(国立岩国医療センター・消化器内科), 田中 盛富(国立岩国医療センター・消化器内科), 横峰 和典(国立岩国医療センター・消化器内科), 藤本 剛(国立岩国医療センター・消化器内科)
抄録 【はじめに】アミロイドーシスは,異常蛋白であるアミロイドが,全身臓器に沈着することによって機能障害を引き起こす一連の疾患群である.特定の臓器に限局して沈着を認める場合,限局性アミロイドーシスと呼ばれるが,消化管に限局する症例は稀とされている.今回,我々は,無症状の胃限局性アミロイドーシスの1例を経験し,詳細な内視鏡観察が可能であったので,若干の文献的考察を加え,報告する.【症例】51歳,男性.検診目的にて近医で上部消化管内視鏡検査を受けたところ,胃に病変を指摘され,当科紹介となった.血液生化学および尿検査に異常なく,Helicobacter pylori感染も認めなかった.病変は,通常内視鏡では,胃角部大弯に長径約2cmの境界不明瞭なわずかに陥凹した退色域として認識された.退色域内には,やや拡張した血管の増生を認めた.NBI拡大観察では,粗大化した胃腺窩構造と一部無構造の領域が混在し,血管構築そのものには不整なく,表面微細構造も不整なしと診断した.背景粘膜は萎縮のない正常胃粘膜であった.生検では,粘膜固有層から粘膜筋板周囲に,淡好酸性の無構造物の沈着を認め,DFS染色で赤橙色に染まり,偏光下で黄緑色となりアミロイド沈着と診断された.またKMnO4処理でも消失せず,偏光性も保たれ,AL型と診断された.血液疾患も念頭におき全身検索を行ったが他に病変を認めず,胃限局性AL型アミロイドーシスと診断した.現在,無治療にて経過観察中である.【考察】胃限局性アミロイドーシスは,現在までのところ,本邦で20数例の報告例がある.肉眼形態は,潰瘍形成,スキルス様,腫瘤様等多彩であり,多くがAL型である.本例では,一見,未分化型癌にみえるが,NBI拡大を含めた詳細な観察により癌は否定的であった.MALTリンパ腫に類似した所見と考えるが,内視鏡的鑑別は困難と思われる.【結論】胃内の退色域を診た場合,アミロイドーシスも念頭におく必要がある.
索引用語 胃限局性, アミロイドーシス