セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-診断

タイトル 内P-225:

胃生体内Endocytoscopy観察の染色法の検討

演者 鶴留 一誠(名古屋大大学院・消化器内科学)
共同演者 宮原 良二(名古屋大大学院・消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 古川 和宏(名古屋大大学院・消化器内科学), 山本 富美子(名古屋大大学院・消化器内科学), 松崎 一平(名古屋大大学院・消化器内科学), 横山 敬史(名古屋大大学院・消化器内科学), 菊池 正和(名古屋大大学院・消化器内科学), 大野 栄三郎(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 中村 正直(名古屋大大学院・消化器内科学), 川嶋 啓揮(名古屋大大学院・消化器内科学), 伊藤 彰浩(名古屋大大学院・消化器内科学), 廣岡 芳樹(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 渡辺 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 前田 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 安藤 貴文(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】Endocytoscopy(EC)は食道や大腸においてメチレンブルー染色による仮想生検の有用性が報告されているが,胃における最適な染色方法は明らかでない.今回我々は胃生体内EC観察に用いる染色液の染色性とEC診断能につき検討を行った.【対象と方法】2011年1月から2012年10月までに当院でEC観察を行った早期胃癌43例を対象とした.染色液は0.05%クリスタルバイオレット(CV) + 1%メチレンブルー(MB)(CM混合液)もしくは0.25%トルイジンブルー(TB)を使用し,Olympus社製GIF-Y0002(最大拡大率380倍)にて腫瘍部と非腫瘍部の超拡大観察を行った.一人の病理専門医がEC静止画像を読影し,検討1:染色性(腺管や核の評価可能な画像が得られる割合)と検討2:ECによる良悪性診断について評価を行った.【結果】30例をCM混合液で染色し,13例をTBで染色した.MBとTBは核を染色し,CVは細胞を染色した.正常粘膜では腺窩上皮の配列や腺腔の形態は規則的で,異型のない核が観察された.早期胃癌では腺管が不規則に分岐し,腺窩上皮の不整な配列と不整形の腺腔を認め,極性の乱れた大小不同の核が観察された.腫瘍部の染色性はCM混合液にて90%(27/30),TBにて76.9%(10/13)であり,有意差は認めなかった(P=0.26).非腫瘍部の染色性はCM混合液にて83.7%(36/43),TBにて100%(13/13)であり,有意差は認めなかった(P=0.06).ECによる良悪性診断能はCM混合液にて感度88.9%,特異度95.7%,TBにて感度90%,特異度92.3%であり,ともに良好であった.【結論】TBはMBより核の染色がよく,非腫瘍部の染色性は良好であった.MBにCVを追加することで腺管構造がより明瞭となり,腫瘍部の染色性はCM混合液の方がTBよりも良好であった.CM混合液とTBは胃生体内EC観察において同等の染色性と良悪性診断能を有していた.
索引用語 エンドサイトスコピー, 胃