セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-その他1

タイトル 内P-227:

唾液アミラーゼ活性を用いた経鼻内視鏡と経口内視鏡のストレス比較

演者 海宝 雄人(海宝病院)
共同演者 青木 泰斗(海宝病院), 武藤 雄太(海宝病院), 豊住 武司(千葉大・先端応用外科), 海宝 雄太(海宝病院), 近藤 貴志(海宝病院), 三浦 文彦(海宝病院), 上里 昌也(千葉大・先端応用外科)
抄録 【目的】唾液アミラーゼは血中のアドレナリン値を相関すると言われており数値化可能なストレスの指標として用いられている.経鼻内視鏡は経口内視鏡に比べ検査時の患者の苦痛が少ないとされ,これを唾液アミラーゼを用い比較した.【方法】2012年9月から11月までの当院における上部内視鏡検査例113例(鎮静下経口64例,鎮静なし経口8例,経鼻41例)を対象とした.唾液アミラーゼ活性は二プロ社製唾液アミラーゼモニターを使用し,検査直前,検査開始2分後の2回測定した.また検査時の苦痛についてフェイススケールを用いたアンケート調査,および各症例の被検回数による検討を行った.【結果】アミラーゼ活性の平均値は,鎮静下経口法で,前値55.9±4.3kU/l,2分後120.4±6.5(P<0.01),鎮静なし経口法で前値39.5±11.4,2分後118.6±15.7(P<0.01)と有意な上昇を認めた.経鼻法では前値60.7±1.1,2分後値57.4±0.9(P=0.34)と変化を認めなかった.全症例の検査前値における被検回数の比較では初回で52.9±6.3,2回以上の経験ありで58.2±4.5と有意差を認めなかった(P=0.49).フェイススケールの平均値は鎮静下経口法1.63±0.09,経鼻法2.17±0.17 で有意差を認めた(P=0.0102).【考察】唾液アミラーゼ活性から,経口法は鎮静下であっても身体的ストレスがかかっていることが考えられた.これに対し経鼻法は,よりストレスが少ないと考えられた.フェイススケール値が経鼻法に比べ経口法で低値になっているのは経口法による身体的ストレスが鎮静剤の効果により健忘されていることが考えられた.また,被検回数は患者のストレスには影響しないことも示唆された.【結語】唾液アミラーゼ活性から,経鼻内視鏡は鎮静下の経口法と比較しストレスが少ないことが示された.
索引用語 唾液アミラーゼ, 経鼻内視鏡