セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-その他1 |
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タイトル | 内P-229:胃底部に認める多発白色扁平隆起病変の検討 |
演者 | 大野 正芳(北海道大・消化器内科) |
共同演者 | 大森 沙織(北海道大・消化器内科), 鈴木 美櫻(北海道大・消化器内科), 高橋 正和(北海道大・消化器内科), 清水 勇一(北海道大・消化器内科), 小野 尚子(北海道大病院・光学医療診療部), 間部 克裕(北海道大病院・光学医療診療部), 加藤 元嗣(北海道大病院・光学医療診療部), 結城 敏志(北海道大病院・腫瘍センター), 小松 嘉人(北海道大病院・腫瘍センター), 山本 純司(太黒胃腸内科病院), 中川 学(中川胃腸科), 中川 宗一(中川胃腸科), 坂本 直哉(北海道大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】H.pylori(以下HP)陰性者やプロトンポンプ阻害薬(以後PPI)服用者に胃底腺ポリープが,HP感染者に過形成性ポリープが発生することは知られている.また,内視鏡的に両者と区別される多発性の白色扁平隆起病変を認めることがある.今回はこの多発性の白色扁平隆起病変について検討した.【方法】2012年4月から2013年2月まで当院で施行した上部消化管内視鏡検査を再検討し,白色扁平隆起を検索した.また,HP感染,除菌の有無,萎縮性変化,PPIなど酸分泌抑制薬の内服,内視鏡的特徴,病理学的特徴について検討した.【結果】白色扁平隆起は全体で34例認めた.年齢は51歳~80歳(平均67.6歳)で男:女(9:25)と女性が多く認められた.HP感染に関しては,感染疑い8人,除菌後を含む既感染が22人(除菌後17人,除菌後平均期間69.4ヶ月),未感染4人であった.萎縮性変化に関しては,萎縮あり29人,萎縮なし5人で,萎縮例を多く認めたが,萎縮の程度は軽度から中程度が多かった.PPI内服に関しては,現在内服中が18人,内服既往8人,H2RA内服6人,なし2人であった.ガストリンは18人採取しており,中央値は127 (81~4000)であった.内視鏡的特徴は胃体上部大弯から穹窿部にかけて大きさ2~5mm程度の,白色辺縁鋸歯状の扁平隆起が多発していた.29例に生検が施行され,生検診断は過形成性ポリープ,胃底腺ポリープが混在していたが,病理学的な再検討では,ほとんどの例で腺窩上皮過形成に加え軽度の胃底腺の拡張が認められこれらが特徴的な所見と考えられた.【結論】胃底部に多発白色扁平隆起を認める症例は,H. pylori感染による萎縮例でかつ除菌後,またPPI内服をしているものが多く,これらの病変の発生に関与している可能性が示唆された.同病変の発生機序などについて今後のさらなる検討が必要である. |
索引用語 | 白色扁平隆起, PPI |