セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-その他1

タイトル 内P-233:

上部消化管内視鏡検査時の内視鏡への細菌付着状況と二酸化塩素を用いた洗浄システムの効果

演者 二階堂 暁子(福島県立医大会津医療センター・消化器内科学)
共同演者 入澤 篤志(福島県立医大会津医療センター・消化器内科学), 澁川 悟朗(福島県立医大会津医療センター・消化器内科学), 阿部 洋子(福島県立医大会津医療センター・消化器内科学), 山部 茜子(福島県立医大会津医療センター・消化器内科学), 忌部 航(福島県立医大会津医療センター・消化器内科学), 星 恒輝(福島県立医大会津医療センター・消化器内科学), 遠藤 俊吾(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科), 冨樫 一智(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科), 五十畑 則之(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科), 根本 大樹(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科), 大谷 泰介(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科), 歌野 健一(福島県立医大会津医療センター・小腸・大腸・肛門科)
抄録 【背景と目的】上部消化管内視鏡検査に関連した感染(細菌,H.pylori,肝炎ウイルス等)が報告されている.近年の内視鏡件数増加に伴い,いかに短時間に十分な洗浄・消毒ができるかが,衛生面や検査効率の点からも重要視されるようになってきた.今回アルカリ洗剤と二酸化塩素(セクリン)という蛋白を分解する特性のある薬液を使用して,独特なチャンネル内洗浄方法を行う内視鏡洗浄機(ESPAL III:精研,名古屋)による短時間洗浄による洗浄・消毒の効果を検討した.【対象と方法】上部消化管内視鏡検査を施行した30例を対象とし,検査後とESPALIIIを用いた内視鏡洗浄後の2回の時点で,鉗子口に生理食塩水10mlを注入し,その洗浄液を採取し細菌培養に提出した.細菌培養は,洗浄液を2つに分けて,5mlは遠沈して,残渣を更に2つに分けて,SCDLPブイヨン培地での消毒薬の中和と培養,血液寒天培地,BTB培地,ヘリコバクター用培地での培養を行った.残りの5mlの洗浄液で6週間の抗酸菌培養を行った. 【結果】洗浄前で検出された菌は,α-Streptococcusが27例と最も多く,次いでCorynebacterium 18例,Neisseria 14例,γ-streptococcus 13例,Klebsiella属 7例,Candida albicans 4例,E. coli 3例,その他Serratia属,Entericoccus属がそれぞれ1例ずつ検出された.これらの菌は洗浄後にはすべて陰性化が確認できた.なお,洗浄液に起因すると考えられる内視鏡室スタッフの呼吸器などに関する有害事象はみられなかった.【考察】ESPAL IIIは機械洗浄の時間が6分と短いにも関わらず,上部消化管内視鏡検査において十分な洗浄・消毒効果をもたらすことが確認された.本機器の使用により,少ない内視鏡本数でも,安全かつ効率的な内視鏡室運営が可能になるものと考えられる.
索引用語 内視鏡洗浄, 感染症