セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-その他2

タイトル 内P-237:

早期胃癌を混在した胃過形成性ポリープ7例の臨床病理学的検討

演者 久保 京子(倉敷中央病院・消化器内科)
共同演者 松枝 和宏(倉敷中央病院・消化器内科), 小原 佳子(倉敷中央病院・消化器内科), 角谷 彰(倉敷中央病院・消化器内科), 下立 雄一(倉敷中央病院・消化器内科), 土井 顕(倉敷中央病院・消化器内科), 西村 直之(倉敷中央病院・消化器内科), 藤田 英行(倉敷中央病院・消化器内科), 毛利 裕一(倉敷中央病院・消化器内科), 山本 博(倉敷中央病院・消化器内科)
抄録 【はじめに】胃過形成性ポリープは,非腫瘍性病変として経過観察されることが多い.しかし,稀ではあるが,その癌化の報告が散見される.癌化は径20mmを超える有茎性ポリープに多いとされ,内視鏡的に表面の凹凸不整や糜爛,白苔,出血の存在も癌化の診断に有用とされているが,実態については明らかではない.【対象と方法】2010年1月から2012年12月に,当院で上部消化管内視鏡検査にて過形成性ポリープと病理組織診断を得た316例中,内視鏡的もしくは外科的に切除施行となった44例を対象とした.増大傾向や貧血原因と考えられたポリープを切除適応とした.腫瘍径(<20mm,≧20mm),肉眼型,表面凹凸不整有無,糜爛有無,白苔有無,出血有無,存在部位(U/M/L),混在癌組織型につき検討とした.【結果】早期胃癌を混在した過形成性ポリープは7例に認めた.全例男性で,年齢は41-84歳(中央値72歳).20mm以上は4例であった.肉眼型として有茎が3例,亜有茎が3例,半球状が1例.表面凹凸不整は5例,糜爛は5例,白苔は3例,出血(止血処置は要さず)は2例に認めた.存在部位はU/M/Lで3例/3例/1例であった.性別を除き,いずれも非癌37例と比較し有意差は認めなかったが,非癌例では,U/M/Lで5例/17例/15例とU領域が少ない傾向にあった.混在した早期胃癌の組織型としては,tub1を5例,tub1・sig混在を1例,sigを1例に認めた.いずれも粘膜内に限局しており治癒切除となった.術前生検組織診断で癌を指摘し得たものは4例であった.【まとめ】腫瘍径20mm未満においても胃癌混在例は存在し,術前生検組織診断で癌混在を指摘し得ない症例も存在したことから,注意を要する.早期胃癌を混在した7例について,若干の文献的考察も加え報告する.
索引用語 胃癌, 過形成性ポリープ