セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-その他2

タイトル 内P-239:

上部消化管内視鏡検査前スクリーニングとして実施した胸部X-rayおよび心電図より得られた所見についての検討

演者 谷池 聡子(近畿大堺病院・消化器内科)
共同演者 河野 匡志(近畿大堺病院・消化器内科), 丸山 康典(近畿大堺病院・消化器内科), 松本 望(近畿大堺病院・消化器内科), 高場 雄久(近畿大堺病院・消化器内科), 奥村 直己(近畿大堺病院・消化器内科), 冨田 崇文(近畿大堺病院・消化器内科), 梅原 康湖(近畿大堺病院・消化器内科), 森村 正嗣(近畿大堺病院・消化器内科), 米田 円(近畿大堺病院・消化器内科), 山田 哲(近畿大堺病院・消化器内科), 辻 直子(近畿大堺病院・消化器内科), 工藤 正俊(近畿大・消化器内科)
抄録 【目的】当院では希望者には鎮静下での消化管内視鏡検査を施行しているが,術中の鎮静は心肺機能に少なからず影響を及ぼす.そのため検査を安全,適切に行うためにスクリーニングとして胸部X-ray,心電図を実施している.今回これらの術前検査から得られた所見について検討した.【方法】2011年9月から2012年8月までの1年間に上部消化管内視鏡検査を施行した外来患者1728例(平均年齢65.6歳,男性876例,女性852例,1163例に鎮静下での検査を施行)のうち,当院にて胸部X-rayを施行した1585例,心電図を施行した1593例につき,異常所見の有無,診断結果について検討した.【結果】 胸部X-rayでは454例(28.6%)が有所見であり,心拡大134例,陳旧性炎症変化205例,COPD59例,肺腫瘤影8例などが認められた.心電図では非特異的な所見も含めると809例(50.3%)が有所見であり,T波異常170例,ST異常102例,心室肥大74例,心房負荷18例,心室内伝導障害169例,早期興奮症候群2例,徐脈47例,頻脈13例,期外収縮94例,心房細動27例,房室ブロック90例,人工ペースメーカーリズム7例などが認められた.また鎮静下での検査においては全例で術中の血圧,酸素飽和度の測定を行っているが,術前の異常所見,年齢等を考慮し304例(26.1%)でモニター心電図による観察も行ったところ,187例(61.5%)に異常所見が認められた.【結論】胸部X-ray,心電図にて術前に患者の状態を把握することで術中の血圧,酸素飽和度,モニター心電図などの適切な測定,観察を行う目安となり,より安全な内視鏡検査を施行することができると考えられた.また,自覚症状のない時点での疾患の発見につながった症例もあり,そのような観点からもこれらの検査は有用であると考えられた.
索引用語 上部消化管内視鏡, 検査前スクリーニング