セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胃-多発癌
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タイトル |
内P-242:同時発見およびESD施行後1年以内発見の異所性多発早期胃癌の検討
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演者 |
神田 直樹(高槻赤十字病院・消化器科) |
共同演者 |
寺前 智史(高槻赤十字病院・消化器科), 藤本 大策(高槻赤十字病院・消化器科), 菊池 志乃(高槻赤十字病院・消化器科), 山中 雄介(高槻赤十字病院・消化器科), 玉田 尚(高槻赤十字病院・消化器科) |
抄録 |
【背景・目的】ハイビジョンスコープで内視鏡検査を施行することで,同時及び1年以内発見の異所性多発早期胃癌の発見率は著しく上昇し,内視鏡治療後早期の異時性発見胃癌は,前検査での見逃し・観察不十分例が多いことを,我々は報告してきた(Gastroenterological Endoscopy 53巻7号).症例数が増えても同程度の発見率が得られるか,見逃し病変の形状・部位の特徴があるかについて,その後の症例を含め192例について検討した.【方法】2006年1月から2011年3月 に当院で施行した適応内・適応拡大病変の早期胃癌ESD症例198例を,3,6,12ヵ月後にハイビジョンスコープで検査を行い,1年以上フォローアップが可能であった192例に対し,同時及び1年以内の異時性発見胃癌について検討した.【結果・考察】192例中,10例(5.2%)に同時発見多発胃癌(2例は3重複), 27例(14.0%)に1年以内の異時性発見多発胃癌(2例は同時・異時性発見の重複)を認めた.1年以内の異時性発見胃癌について検討すると,第2病変27 例中19例がESD施行前の画像でretrospectiveに検討すると病変が確認できるか,その部位が適切に撮影されていない見逃し例と考えられた. 第1病変の長径は18.2+/-7.9mm*,第2病変の長径は10.7+/-7.8mm*(p<0.01)と有意に小さい病変が発見されにくく,第 1病変の形状はIIa 20,IIc 4,IIa+IIc 2,I 1,第2病変は,IIa 8,IIc 16,IIa+IIc 2,IIb 1とIIc,IIbが見逃されやすい傾向にあった.異時性発見例の病変位置を,噴門部:体上部:体中部:体下部:幽門部に分けると,第1病変は, 3:2:3:7:12,第2病変は,2:3:4:6:12と差は認めなかった.また,同時・異時性発見とも,全例に胃粘膜の萎縮を認め,35例中26例がピロリ菌検査陽性であった.【結語】ハイビジョンスコープを用いて検査を行うと,臨床的に同時多発とされる同時および1年以内発見の多発胃癌は192例中35例(18.7%)と極めて高率で,異時性発見多発胃癌の多くは見逃し,もしくは観察不十分例であった. |
索引用語 |
早期胃癌, 多発 |