セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-多発癌

タイトル 内P-243:

当院でESDを施行した胃癌多発症例の臨床的検討

演者 花畑 憲洋(弘前大大学院・地域医療学DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学)
共同演者 三上 達也(弘前大大学院・消化器血液内科学DELIMITER弘前大附属病院・光学医療診療部), 荒木 康光(弘前大大学院・消化器血液内科学), 澤谷 学(弘前大大学院・消化器血液内科学), 櫻庭 裕丈(弘前大大学院・消化器血液内科学), 珍田 大輔(弘前大大学院・消化器血液内科学), 平賀 寛人(弘前大大学院・消化器血液内科学), 下山 克(弘前大大学院・消化器血液内科学), 佐々木 賀広(弘前大附属病院・医療情報部), 福田 眞作(弘前大大学院・地域医療学DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学DELIMITER弘前大附属病院・光学医療診療部)
抄録 【目的】早期胃癌の内視鏡治療としてESDは確立され,適応拡大病変においても積極的に治療がなされ,ESDは内視鏡治療の第一選択となっている.今回我々は,胃癌ESD患者のうち多発病変患者の特徴を検討することにより適切なフォローアップ方法を明らかにするために以下の検討を行った.【方法】2002年より2013年2月までに追加切除症例を除くESDを施行された胃癌初回治療患者379症例を多発群(A群)と単発群(B群)に分類し,組織型,肉眼型,病変径を比較検討した.多発症例のうち,初回治療後の検査で発見されたもの(再発)を異時性多発とし,初回治療病変と再発病変の発生部位,組織型,肉眼型,腫瘍径を比較した.再発病変は1年未満で確認された病変と1年以上経過後に発見された病変について大きさを比較した.【結果】A群86症例,B群は293症例で,平均腫瘍径はA群15.4±11.5mm,B群18.0±12.8mmだった.組織型(tub1/tub2/pap/por)はA群142/16/1/0,B群267/25/0/1,肉眼型(I/IIa/IIb/IIc/IIa+IIc/他)はA群4/106/7/30/7/5,B群13/179/5/59/29/8であった.異時性多発症例34例の検討では肉眼型は初回2/24/0/11/3/1,再発2/24/3/11/0/1,発生部位(L/M/U)は初回24/17/0,再発14/20/7,組織型は初回34/6/1/0,再発32/9/0/0だった.初回腫瘍径は18.9±14.5mm,再発時腫瘍径13.9±10.4mm(p=0.081),特に,1年未満に再発を認めたものと1年以上経過後に発見されたものの比較では前者が17.6±14.1mm,後者11.0±5.0mm(p=0.044)であった.【結語】異時性多発症例では初回病変がL領域に多いのに対し,再発病変はM領域U領域に多かった.また,1年以内に再発を認めた症例では有意に腫瘍径が大きく,見逃し症例が多く含まれた可能性が高いと考えられた.定期観察時には特に初回治療よりも口側を注意深く観察する必要があると考えられた.
索引用語 胃癌, 多発