セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-鎮静1

タイトル 内P-245:

緩徐導入(slow induction)法による安全なプロポフォール鎮静法:咽頭機能の評価から

演者 桐山 真典(社会保険群馬中央総合病院・外科)
共同演者 内藤 浩(社会保険群馬中央総合病院・外科), 福地 稔(社会保険群馬中央総合病院・外科), 深澤 孝晴(社会保険群馬中央総合病院・外科), 田部 雄一(社会保険群馬中央総合病院・外科), 山内 逸人(社会保険群馬中央総合病院・外科), 鈴木 雅貴(社会保険群馬中央総合病院・外科), 吉田 知典(社会保険群馬中央総合病院・外科)
抄録 【目的】胃ESDを含む治療内視鏡には安全な安定した鎮静が必要である.より安全なプロポフォール鎮静を確立するため,緩徐導入(slow induction)法について評価した.【方法】胃ESDを行う14例の早期胃がん患者を対象とした.全例緩徐導入(slow induction)法で行い,投与開始時よりプロポフォール3mg/Kg/hとし,ボーラス(急速静注)投与は行わなかった.1%デュプリバンキット(アストラゼネカ)と専用持続注入ポンプ(TE-332S,テルモ)を使用した.心電図,パルスオキシメーター,間欠自動血圧計によるモニタリングを行った.胃ESDはITナイフ2,ヒアルロン酸を使用した.呼名反応や体動時に投与量を1mg/Kg/h増量とし,収縮期血圧80mmHg未満や酸素飽和度90%以下で維持量を1mg/Kg/h減量した.全例で治療開始前にペンタゾシン15mgを静脈内投与した.プロポフォール投与開始後5分時に内視鏡的に咽頭機能を評価し従来法と比較した.【成績】平均年齢74歳,腫瘍径17mm,切除径38mm,治療時間40分であった.平均総プロポフォール投与量は227mgであった.1分以上持続する低酸素血症(SpO290%未満)や低血圧(収縮期血圧80mg未満)は全例で認めなかった.本投与法検討直前に行ったプロポフォール急速導入法(従来法)による胃ESD患者13例をコントロール群として緩徐導入群と咽頭機能を比較した.声帯の固定は緩徐導入群で2例(14%),急速導入群では3例(23%)であったが有意差は認めなかった.声帯の不完全閉鎖による気管軟骨の持続観察は緩徐導入群で0例,急速導入群で6例(46%)と緩徐導入群で有意に低かった.内視鏡刺激による咽頭反射は緩徐導入群で11例(79%),急速導入群で3例(23%)と緩徐導入群で有意に高かった.【結論】緩徐導入プロポフォール鎮静法は,従来法に比べ咽頭反射を保ち呼吸抑制を避けることができ,より安全で有用な鎮静方法となる可能性がある.
索引用語 プロポフォール, ESD