セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-鎮静1

タイトル 内P-249:

ESDにおけるプロポフォールの有用性

演者 平野 正明(新潟県立中央病院・内科)
共同演者 坂牧 僚(新潟県立中央病院・内科), 有賀 諭生(新潟県立中央病院・内科), 津端 俊介(新潟県立中央病院・内科), 山川 雅史(新潟県立中央病院・内科)
抄録 【目的】ESDは長時間の術時間を要する場合があり,安定した鎮静はESDの完遂に関わる重要な要素である.当科では当初鎮静目的のミダゾラムを使用してきたが,脱抑制による体動の問題があり現在ではプロポフォールの使用も行っている.今回,プロポフォール導入による有用性・安全性について検討した.【対象と方法】[検討1]:胃ESDが技術的に安定した2008年1月から2012年12月までの814症例のうち経験数50例以上の術者の症例を抽出し,さらに病変部位・切除径・瘢痕化の有無をマッチさせたミダゾラム群30例とプロポフォール群30例について呼吸抑制,血圧低下,体動の有無,偶発症について検討した.[検討2]:ESD術前からプロポフォール投与を予定していた群(予定群)30例とミダゾラム投与で開始したが脱抑制等により途中でプロポフォールに切り替えた群(切り替え群)30例で,同様に検討した.【成績】[検討1]:呼吸抑制(SpO2 <90%)はミダゾラム群/プロポフォール群で6.7%/3.3%,血圧低下(sBP <90mmHg)がそれぞれ26.7%/13.3%,用手的に体動を抑制した症例の割合はそれぞれ20.0%/6.7%であった.重篤な偶発症については両群ともなかった.[検討2]:呼吸抑制は予定群/切り替え群で3.3%/13.3%,血圧低下はそれぞれ13.3%/30.0%,用手的抑制を必要とした症例はそれぞれ10.0%/66.6%であった.ただし切り替え群でプロポフォール投与後に用手的抑制を要した症例は6.7%であった.また高度の呼吸抑制を切り替え群で2例認めた.【結論】プロポフォールはミダゾラムと安全面での遜色はなく,また体動によるESDへの影響が少ない傾向があり,鎮静面におけるストレスのない治療が可能である.一方,ミダゾラムからプロポフォールへの切り替え群では薬剤の相乗効果による呼吸循環抑制に注意する必要があり,術前情報を基にした薬剤選択が重要である.
索引用語 ESD, プロポフォール