セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-鎮静2

タイトル 内P-250:

当院におけるプロポフォール鎮静下ESDの検討

演者 藤嶋 昌一郎(山形県立中央病院・内科)
共同演者 川越 圭(山形県立中央病院・内科), 今 孝志(山形県立中央病院・内科), 小野里 祐介(山形県立中央病院・内科), 原 倫世(山形県立中央病院・内科), 佐藤 英之(山形県立中央病院・内科), 白幡 名香雄(山形県立中央病院・内科), 鈴木 克典(山形県立中央病院・内科), 武田 弘明(山形県立中央病院・内科), 深瀬 和利(山形県立中央病院・内科)
抄録 ESDの普及とともに適応拡大病変を治療する機会が増加している.適応拡大病変では施術時間が長くなることがしばしばある.そのため適切な鎮静と十分な鎮痛が維持されるESDに適した麻酔法が重要となってきている.その有力な選択肢の一つとしてプロポフォールが挙げられる.当科では,2007年10月よりプロポフォールとペンタゾシンによる麻酔を導入した.麻酔科医に10例麻酔をしてもらい,その後は当科の医師が麻酔科医と連絡をとりながら施行している.【目的】ESD時のプロポフォールとペンタゾシンによる麻酔の有用性と安全性を検討した.【方法】当科に炭酸ガス送気が導入された2010年1月から2012年12月にプロポフォールとペンタゾシンによる麻酔下にESDをおこなった胃病変293例,食道病変14例の計307例を対象とした.当科では体動や覚醒時にはプロポフォール流量増加やペンタゾシン追加投与で対応している.それでも良好な鎮静が得られず,体を押さえなければESDに支障を来す場合や,ESDを中止せざるを得ない場合を鎮静不良例とした.また,薬剤による対応が必要となった血圧の変動,脈拍の変動また呼吸抑制がみられた場合を偶発症例とした.【成績】胃病変293例,食道病変14例の計307例全例でESDを完遂でき,全例30分以内に覚醒した.検討例で最も時間のかかった症例(370分,プロポフォール2900mg使用)においても15分で覚醒した.鎮静不良例は胃病変3例,食道病変1例であった.この鎮静不良4例中3例で薬剤による対応が必要となった低血圧,徐脈,呼吸抑制がみられ,偶発症例でもあった.【結論】プロポフォールとペンタゾシンによる麻酔はESDに適した麻酔法であり,安全性も高いと考えられる.しかし,鎮静不良例では体動を抑えるためプロポフォールとペンタゾシンが過度の投与となり偶発症を引き起こしやすいと思われ注意が必要である.
索引用語 プロポフォール, 麻酔