セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-鎮静2

タイトル 内P-253:

上部消化管ESDにおける当科のプロポフォール・ミダゾラムの運用について

演者 野口 哲也(宮城県立がんセンター・消化器科)
共同演者 内海 潔(宮城県立がんセンター・消化器科), 及川 智之(宮城県立がんセンター・消化器科), 相澤 宏樹(宮城県立がんセンター・消化器科), 虻江 誠(宮城県立がんセンター・消化器科), 塚本 啓祐(宮城県立がんセンター・消化器科), 鈴木 真一(宮城県立がんセンター・消化器科), 鈴木 雅貴(宮城県立がんセンター・消化器科)
抄録 【はじめに】プロポフォールは,安定した鎮静作用を有するがその使用には,麻酔に熟達した医師のもとで使用する必要があるとされている.幸い当科では,平成19年より消化器スタッフに麻酔科標榜医が加わり,ESD治療時にプロポフォールを導入した.今回,プロポフォール症例,ミダゾラム症例について内視鏡治療の立場で運用上のメリット,デメリットついて検討した.【対象】ESD手技およびプロポフォールの使用に習熟してきた平成22年から平成24年までのESD施行症例253例,プロポフォール126例(P群),ミダゾラム127例(M群)を対象に検討した.【方法】プロポフォール,ミダゾラムの選択は,治療時間を要することが予想される症例にプロポフォールを採用していたが,治療スタッフの運用上,プロポフォールは一週間に一日のみであり症例の集中によりミダゾラム症例でも治療時間が長い症例も見られた.P群は,5-6ml/kg/hrで開始し,全身状態に応じ増減した.M群は,導入時0.05mg/kgで開始,体動時1mgづつ適宜追加している.いずれも導入時ペンタゾシン7.5-15mg静注している.また,脱抑制反応や体動が激しい際には適宜ハロペリドール2.5mg静注した.【結果】平均治療時間はP群:86分(20-300分),M群68分(7-180分), 切除時間が一時間以内の症例はP群:50例39.7% ,M群:73例57.5%であった.ハロペリドールの使用は,M群においては60分を超えると使用例が見られ,P群においては,90分を超えると見られていた.【考察】プロポフォールは,治療時間の延長に際しても安全な治療継続が可能であり,術者やスタッフの安心感が得られていた.一方,持続点滴の準備,静注の管理が必要であった.ミダゾラムは単回静注により,鎮静効果が得られる簡便性はあるものの,治療時間の延長に伴い脱抑制・体動などに対し工夫が必要であった.治療時間の延長が想定される症例に対しては,安定した鎮静作用を有するプロポフォールが有用であると思われた.
索引用語 プロポフォール, ESD