セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胃-鎮静2
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タイトル |
内P-254:内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)におけるプロポフォールによる麻酔の有用性
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演者 |
水川 翔(香川県立中央病院・消化器内科) |
共同演者 |
稲葉 知己(香川県立中央病院・消化器内科), 高嶋 志保(香川県立中央病院・消化器内科), 泉川 孝一(香川県立中央病院・消化器内科), 石川 茂直(香川県立中央病院・消化器内科), 三好 正嗣(香川県立中央病院・消化器内科), 和等 正樹(香川県立中央病院・消化器内科), 河合 公三(香川県立中央病院・消化器内科) |
抄録 |
【背景と目的】目的は,胃腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)におけるプロポフォールによる経静脈的麻酔の有用性を明らかにすることである.【対象と方法】プロポフォール麻酔を導入した2008年8月から2012年12月にESDを行った胃腫瘍患者467例(男性/女性340/127例,平均年齢71.0±9.0歳,平均切除切片35.0±13.4mm,平均麻酔時間102±59.8分)と2007年1月から2008年7月にミダゾラム麻酔下でのESDを施行した胃腫瘍患者140例(男性/女性104/36例,平均年齢71.8±8.3歳,平均切除切片36.2±11.4mm,平均麻酔時間66.7±42.7分)を比較検討した.途中覚醒症例や鎮静継続のため他薬剤の追加投与例の割合,ESD完遂率に関して検討した.プロポフォール投与はTCI(target controlled infusion)にて行い,鎮静度はBIS(bispectral index)モニターにて評価した.【結果】両群間で患者背景(年齢,性別,ASA分類による基礎疾患評価)あるいは病変(切除切片最大径,完全切除率)に差はなかった.麻酔時間は,経験の浅い施行医の多いプロポフォール群で有意に長かった(p<0.00001).途中覚醒例は,プロポフォール群0例(0.0%)でミダゾラム群は28例(20.0%)であった(p<0.00001).他薬剤の追加例は,プロポフォール群0例(0.0%)でミダゾラム群は21例(15.0%)であった(p<0.00001).ESD中止となった症例は,プロポフォール群では舌根沈下し呼吸状態悪化にて後日全身麻酔下ESDを行った1例(0.2%)で,ミダゾラム群の不穏による6例(4.3%)より有意に少なかった(p=0.00043).ミダゾラム群の中止6例はスネアによる切除に変更し,5例は一括切除で1例は分割切除となった.両群とも,人工呼吸器を要する高度呼吸抑制や昇圧剤を要する血圧低下,薬剤による術後臓器障害は認めなかった.【結論】ESDにおいて,プロポフォール麻酔は安定した長時間の鎮静が可能で,安全に手技を完遂可能であり,技術指導面からも有用性が高い. |
索引用語 |
プロポフォール, ESD |