セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

十二指腸-腫瘍

タイトル 内P-255:

スクリーニングで発見した十二指腸腺腫・癌の自験18例の検討

演者 高柳 成徳(府中病院・消化器内科)
共同演者 平位 暢康(府中病院・消化器内科), 間島 行則(府中病院・消化器内科), 上田 栄寿(府中病院・消化器内科), 益岡 優(府中病院・消化器内科), 親泊 智英(府中病院・消化器内科), 中島 ひろみ(府中病院・消化器内科), 川村 美里(府中病院・消化器内科), 武田 修身(府中病院・消化器内科), 半野 元(府中病院・消化器内科), 廣岡 知臣(府中病院・消化器内科), 土細 利夫(府中病院・消化器内科), 廣岡 大司(府中病院・消化器内科)
抄録 【目的】上部消化管内視鏡検査は広く普及している検査であり,食道・胃における病変の内視鏡的特徴や治療方針に関しては知見が集積されている.一方,十二指腸上皮性腫瘍は頻度の少なさからも,偶然発見されるにすぎない.今回,スクリーニングで発見した早期と判断される十二指腸腺腫・癌の18例について,内視鏡的特徴などを検討したので報告する.【方法】2009年04月から2012年10月までに,当院のスクリーニング上部消化管内視鏡検査において発見した十二指腸腺腫・癌の18症例を対象とし,年齢,男女比,部位,内視鏡所見,治療,病理所見について検討を行った.診断は,生検および治療後の病理結果に拠った.尚,乳頭部癌は胆道癌取扱規約により胆道癌として扱われるために除外した.内視鏡所見,病理学的所見は胃癌取扱規約に準じて記載した.【成績】十二指腸腺腫が8例で,平均年齢が66.3歳(46~86歳),男女比が4:4.十二指腸癌が10例であり,平均年齢が66.9歳(32~80歳),男女比が7:3であった.部位は球部2例,下行脚12例(乳頭口側1例,乳頭以遠11例),水平脚以遠が4例であった.腺腫の内視鏡所見は0-1型3例,0-2a型4例,0-2c型が1例であり,癌の内視鏡所見は0-2a型5例,0-2a+2c型2例,0-2c型が3例であった.治療は腺腫のうち4例が内視鏡治療(EMR/ポリペクトミー)を選択し,4例が経過観察となっている.癌のうち2例が外科的手術,7例がEMRを選択し,1例が治療拒否となっている.切除された癌は全例が高分化型腺癌であり,8例が粘膜内癌,1例が粘膜下層への浸潤を呈していた.【結論】十二指腸腫瘍性病変は比較的稀とされ,有症状時には進行した状態で発見されることが多い.しかし,十二指腸上皮性腫瘍の特徴を認識し,スクリーニングの内視鏡検査時にも十二指腸を可能な限り観察することで,早期の段階で発見・治療することが可能であると考える.
索引用語 十二指腸腫瘍, スクリーニング