セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

十二指腸-腫瘍

タイトル 内P-258:

十二指腸腫瘍性病変に対する内視鏡治療についての検討

演者 富田 英臣(がん研有明病院・内視鏡診療部)
共同演者 山本 頼正(がん研有明病院・消化器内科), 清水 智樹(がん研有明病院・内視鏡診療部), 吉澤 奈津子(がん研有明病院・内視鏡診療部), 堀内 裕介(がん研有明病院・内視鏡診療部), 石川 寛高(がん研有明病院・内視鏡診療部), 大前 雅実(がん研有明病院・消化器内科), 石山 晃世志(がん研有明病院・消化器内科), 平澤 俊明(がん研有明病院・消化器内科), 土田 知宏(がん研有明病院・消化器内科), 藤崎 順子(がん研有明病院・消化器内科), 五十嵐 正広(がん研有明病院・消化器内科)
抄録 【背景】非乳頭部十二指腸腫瘍の頻度は0.04-0.27%と比較的まれであるが,近年内視鏡機器の発達に伴い早期に診断される症例も増加しており,治療の内視鏡切除も行われている.しかしその安全性に関して技術的な課題も多く,十二指腸腫瘍性病変に対する内視鏡治療の適否に関しては明確な基準は定められていない.【目的】当院における非乳頭部十二指腸腫瘍性病変に対する内視鏡治療成績について検討した.【対象と方法】2008年2月から2013年2月に当院で内視鏡治療を行った十二指腸腫瘍性病変44病変(EMR23例,ESD21例)を対象とした.一括切除と球部以外はクリップによる潰瘍底縫縮を手技の原則として,EMR又はESDを適宜選択して施行した.その治療成績を示す.【結果】44病変の患者背景は,平均年齢65歳,性別は男性32名(73%),女性12名(27%)であった.病変部位は球部12例(27%),下行脚以深32例(73%)であった.肉眼型は隆起型9例(20%),表面隆起型24例(55%),表面陥凹型11例(25%)であった.平均腫瘍径13.6mm,平均切除径18.9mm.であった.治療手技はEMR23例(52%),ESD21例(48%)で,平均切除時間は85分であった.最終病理診断は 腺腫が23例(52%)(low grade 6例,high grade17例),高分化型腺癌21例(48%)であった.一括切除は93%,一括完全切除は82%であった.偶発症は後出血例はなく,術中穿孔2例(4.5%),遅発性穿孔1例(2.3%)であった.遅発性穿孔の1例は,潰瘍底縫縮中に出血があり,縫縮が不十分となった症例であった.平均観察期間は33ヶ月で,1例(2.3%)に粘膜内の遺残再発を認め,APC焼灼を施行した.【結語】十二指腸腫瘍性病変に対する内視鏡治療は,一括切EMR,ESD等を適宜選択し,球部以外では潰瘍底を縫縮することで20mm程度までの病変に対しては安全に行う事が可能である.
索引用語 十二指腸, 内視鏡治療