セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

十二指腸-腫瘍

タイトル 内P-260:

異所性胃粘膜から発生したと考えられた十二指腸球部早期癌の1例

演者 八木 康道(厚生連滑川病院・外科)
共同演者 伊井 徹(厚生連滑川病院・外科), 田中 茂弘(厚生連滑川病院・外科), 小栗 光(厚生連滑川病院・内科)
抄録 症例は81歳,男性.近医にて上部消化管内視鏡検査を施行され,幽門輪にポリープ状の腫瘍性病変を認め精査加療目的に当院紹介となった.前医の生検でGroup1であったが,当院での再検ではGroup2であり悪性病変は否定できなかった.幽門輪のポリープ病変に連続して十二指腸球部にも全周性に浅い隆起性病変を認めた.完全生検目的としポリープ病変に対して内視鏡的ポリープ切除を行い,病理組織診断でWell differentiated adenocarcinoma in adenomaの診断が得られた.大部分の周囲の隆起性病変は遺残していたため幽門側胃部分切除術を施行した.切除標本病理組織では病変の大部分は十二指腸球部を主座としたadenomaの成分であり,周囲は異所性胃粘膜に連続してみられたことから異所性胃粘膜を発生由来としていると考えられた.粘膜癌であり,脈管浸襲はなくリンパ節転移も認めなかった.異所性胃粘膜由来の腺腫および腺癌は極めて稀であると考えられるため,文献的考察を加え報告する.
索引用語 異所性胃粘膜, 十二指腸癌