セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

十二指腸-ステント

タイトル 内P-263:

悪性十二指腸閉塞に対する内視鏡的十二指腸ステント留置術の有用性

演者 高住 美香(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科)
共同演者 高木 忠之(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 引地 拓人(福島県立医大附属病院・内視鏡診療部), 中村 純(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 佐藤 匡記(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 池田 恒彦(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 渡辺 晃(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 杉本 充(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 藁谷 雄一(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 小原 勝敏(福島県立医大附属病院・内視鏡診療部), 大平 弘正(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科)
抄録 【目的】2010年4月よりThrough the scope(TTS)タイプの胃・十二指腸ステントが保険認可され,悪性幽門・十二指腸閉塞(Gastric Outlet Obstruction: GOO)患者に対するQOLの改善に貢献している.今回,当院における内視鏡的十二指腸ステント留置術の治療成績を明らかにし,その有用性と安全性を検討した.【方法】2010年7月から2013年3月までに内視鏡的十二指腸ステント留置術を施行した13例(男性9例,女性4例;平均67歳)を対象に,患者背景,治療成績,手技に伴う合併症,予後との関連を検討した.経口摂取評価はGOO Scoring System(GOOSS)を用いて留置前後で比較した.内視鏡的十二指腸ステント留置術の際,内視鏡はGIF-2T240を使用し,透視下で狭窄部より深部へガイドワイヤーを挿入し,WallFlex(Boston Scientific)またはNiti-S D-type(Taewoong)のいずれかを留置した.【成績】原疾患は膵癌9例,他臓器癌十二指腸浸潤4例(胃癌1例,小腸癌1例,膀胱癌2例)であった.留置部位は下行部4例,水平部6例,球部から水平部2例,下行部から水平部1例で,5例でステントを複数本要した.手技成功率は100%(13/13),84.6%(11/13)で水分以上の摂取が可能になり,GOOSSはステント留置後に有意に改善した.固形食まで摂取可能(GOOSS >3)となったのは53.8%(7/13)で,経口摂取期間は中央値2ヶ月(0-7ヶ月)であった.ステント留置に伴う合併症は,膵炎を2例で認めたが,全例保存的治療で改善した.ステント閉塞を来たした1例で再留置を施行した.予後は,12例が原病死しており,ステント留置後の生存期間は中央値69日(16-279日)であった.【まとめ】悪性十二指腸閉塞に対する十二指腸ステント留置術は,経口摂取に関するQOLを改善し,安全性が高い点で有用であった.ステント挿入時期や病勢を考慮した適応については検討を要すると思われた.
索引用語 十二指腸ステント, 悪性幽門・十二指腸閉塞