セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

十二指腸-ステント

タイトル 内P-264:

当院における悪性胃十二指腸狭窄に対する内視鏡的ステント留置術の現状

演者 鈴木 隆裕(京都第一赤十字病院・消化器内科)
共同演者 寺崎 慶(京都第一赤十字病院・消化器内科), 陶山 遥介(京都第一赤十字病院・消化器内科), 豊川 優季(京都第一赤十字病院・消化器内科), 中野 貴博(京都第一赤十字病院・消化器内科), 田中 信(京都第一赤十字病院・消化器内科), 間嶋 淳(京都第一赤十字病院・消化器内科), 川上 巧(京都第一赤十字病院・消化器内科), 世古口 悟(京都第一赤十字病院・消化器内科), 戸祭 直也(京都第一赤十字病院・消化器内科), 中村 英樹(京都第一赤十字病院・消化器内科), 佐藤 秀樹(京都第一赤十字病院・消化器内科), 奥山 祐右(京都第一赤十字病院・消化器内科), 木村 浩之(京都第一赤十字病院・消化器内科), 吉田 憲正(京都第一赤十字病院・消化器内科)
抄録 切除不能な悪性消化管狭窄に対して,Palliative surgeryとしてのバイパス術や人工肛門造設術が施行されてきた.しかし全身状態不良例では低侵襲な治療が望まれる.一方,内視鏡的消化管ステント留置術はこれらの症例に対し,低侵襲かつ経口摂取の改善をもたらす有用な手技である.【目的】今回われわれが経験した悪性胃十二指腸狭窄(malignant gastric outlet obstruction : MGOO)に対して施行した幽門部・十二指腸ステント留置症例より,その有用性と今後の課題について検討した.【方法】2007年1月から2010年4月までに当院で経験したMGOOに対し,内視鏡的消化管ステント留置術を施行した11症例(男性10例,女性1例)についての検討を行った.さらに,同時期に施行された胃・空腸バイパス術12例と幽門部・十二指腸ステントの成績を比較し検討した.【結果】症例の平均年齢は69.6歳であり,現疾患としては食道癌1例,胃癌3例,膵癌5例,肺癌1例,大腸癌術後腹膜播種1例でPSは平均1.8あった.検討期間中に施行した症例はすべてステント留置に成功し,経口摂取改善率は80.0%,GOO scoring sysytem(GOOSS)も0.40→1.99と有意に改善していた.合併症は穿孔が1例(9.1%)認められた.経口摂取開始時期は術後平均3.30日目であった.ステント留置後の生存期間は平均96.67日であった.同時期に施行された胃・空腸バイパス術12例との比較では,PSはステント術の方が不良な傾向であった(バイパス術 平均1.2).また経口摂取改善率,術後平均生存期間に明らかな差は認められなかったが,術後の経口摂取開始時期はステント術がバイパス術に比べ有意に早かった(バイパス術 平均7.36日).【結語】一般的に内視鏡的ステント留置術は穿孔等の合併症があるが,今回の検討からも比較的PSの不良なMGOOに対しても緩和医療として有用な手技であると考えられた.
索引用語 胃十二指腸狭窄, 内視鏡的ステント