セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

十二指腸-症例その他

タイトル 内P-267:

難治性十二指腸潰瘍をきたした好酸球性胃腸症の一例

演者 岡本 梨沙(国立九州医療センター・消化器内科)
共同演者 山口 恵梨子(国立九州医療センター・消化器内科), 柿ヶ尾 佳奈(国立九州医療センター・消化器内科), 原口 和大(国立九州医療センター・消化器内科), 隅田 頼信(国立九州医療センター・消化器内科), 岩田 真悠子(国立九州医療センター・消化器内科), 黒川 美穂(国立九州医療センター・消化器内科), 寺松 克人(国立九州医療センター・消化器内科), 中村 吏(国立九州医療センター・消化器内科), 藤森 尚(国立九州医療センター・消化器内科), 國府島 庸之(国立九州医療センター・消化器内科), 吉本 剛志(国立九州医療センター・消化器内科), 河邉 顕(国立九州医療センター・消化器内科), 福嶋 伸良(国立九州医療センター・消化器内科), 福泉 公仁隆(国立九州医療センター・消化器内科), 中牟田 誠(国立九州医療センター・消化器内科), 桃崎 征也(国立九州医療センター・病理部門), 松浦 秀司(国立九州医療センター・放射線科), 原田 直彦(国立九州医療センター・消化器内科), 中村 和彦(九州大大学院・病態制御内科学)
抄録 【症例】9歳,男児【主訴】嘔吐【既往歴】乳児期よりアトピー性皮膚炎【生活歴】食物アレルギー(牛乳,卵)【家族歴】父:アレルギー性鼻炎,母:胃潰瘍,貧血,祖母:貧血【現病歴】7歳時,腹痛,タール便を主訴に前医受診.腹部エコーで十二指腸の壁肥厚を指摘されるも低年齢のため内視鏡検査は施行されなかった.保存的治療で症状改善した.その後も腹痛再発し通院加療.9歳時,食後の激しい嘔吐,食欲低下が顕著となり前医受診.血液検査でHb5.9g/dlと著明な貧血を認め,腹部エコーで再度十二指腸潰瘍が疑われたため当院紹介受診.【身体所見】体重35.4kg(4か月で-7kg),心拍数110回/分,血圧93/57mmHg,体温36.7度.頭頚部~胸部:異常なし.腹部:平坦,軟,臍下部痛あり.【検査成績】Hb6.2g/dl,Ht21.4%,MCV 61.2fl.【上部消化管内視鏡検査】十二指腸球部前壁に約12mm大の潰瘍を認め軽度狭窄を伴っていた.【経過】PPI投与し,ヘリコバクターピロリ菌陽性に対し除菌療法を行った.二次除菌でピロリ菌は陰性となるも,潰瘍の増悪あり数回入退院を繰り返し保存的に改善していた.11歳時の内視鏡検査で,十二指腸潰瘍に加え胃前庭部~胃角部小弯に縦走傾向のある浅い潰瘍が出現.胃,十二指腸から生検を行い,両組織で好酸球浸潤を認めたため好酸球性胃腸症と診断した.治療として,PPIに加えフェキソフェナジン塩酸塩を併用した.以降潰瘍は治癒傾向を示し順調に経過している. 今回難治性十二指腸潰瘍をきたした好酸球性胃腸症のまれな症例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 好酸球性胃腸症, 十二指腸潰瘍