セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

十二指腸-症例その他

タイトル 内P-270:

ワルファリンとアミオダロン併用中に著明な出血を呈した十二指腸vascular ectasiaの1例

演者 富永 環(町立大淀病院・内科)
共同演者 川野 貴弘(町立大淀病院・内科), 西浦 公章(町立大淀病院・内科)
抄録 【症例】87歳男性【主訴】吐血【既往歴】65歳 高血圧,84歳 前立腺肥大,甲状腺機能低下症,85歳 心不全, 心房細動,腎不全【現病歴】85歳時に心不全,心房細動のため入退院を反復しワルファリン(WF),アミオダロン(AMD)内服を処方されていた.平成24年5月下旬から食欲が低下していた.平成24年6月に吐血のため緊急入院した.【入院後経過】緊急内視鏡検査で十二指腸球後部に活動性出血を伴う毛細血管拡張所見を認め,アルゴンプラズマ凝固(APC)とクリッピングによる止血を行った.入院時検査ではPT-INRは著明に延長していた.WF内服を中止し,赤血球輸血,新鮮凍血漿,ビタミンK注を投与したが,翌日にもクリップ根部からの出血がみられたため,APCによる止血を追加した.以後,出血はコントロールされ,リハビリ実施後に退院した.【考察】WFにAMDを併用すると活性代謝物であるN-デスエチルアミオダロンがCYP2C9を阻害し,S-ワルファリンの濃度が上昇し抗凝固作用が増強することが知られている.今回,WF,AMD併用中に活動性出血で発見された十二指腸vascular ectasiaの1例を経験したので報告する.
索引用語 vascular ectasia, ワルファリン