セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

十二指腸-症例その他

タイトル 内P-272:

当院における十二指腸静脈瘤18例の検討

演者 大南 雅揮(大阪市立大大学院・消化器内科学)
共同演者 斯波 将次(大阪市立大大学院・消化器内科学), 藤原 靖弘(大阪市立大大学院・消化器内科学), 大林 倫子(大阪市立大大学院・消化器内科学), 岡本 純一(大阪市立大大学院・消化器内科学), 加藤 邦弘(大阪市立大大学院・消化器内科学), 灘谷 祐二(大阪市立大大学院・消化器内科学), 福永 周生(大阪市立大大学院・消化器内科学), 永見 康明(大阪市立大大学院・消化器内科学), 杉森 聖司(大阪市立大大学院・消化器内科学), 鎌田 紀子(大阪市立大大学院・消化器内科学), 十河 光栄(大阪市立大大学院・消化器内科学), 山上 博一(大阪市立大大学院・消化器内科学), 谷川 徹也(大阪市立大大学院・消化器内科学), 渡辺 憲治(大阪市立大大学院・消化器内科学), 渡辺 俊雄(大阪市立大大学院・消化器内科学), 富永 和作(大阪市立大大学院・消化器内科学), 荒川 哲男(大阪市立大大学院・消化器内科学)
抄録 【背景・目的】十二指腸静脈瘤の治療方法にはIVR,内視鏡治療,外科的治療等があるが,治療の困難性に関する背景因子の検討は少ない.十二指腸静脈瘤の治療経験から,治療手技および供排血路別の治療成績を検討し,困難例における要因を明らかにすることを目的とした.【方法】1998年2月~2012年2月に当科にて治療した十二指腸静脈瘤18例を対象とし,臨床的特徴について検討した.【結果】平均年齢56.7歳,男性14例,女性4例であった.基礎疾患は肝硬変16例(HBV1例,HCV7例,アルコール性7例,不明1例),肝外門脈閉塞症2例であった.肝機能は非肝硬変2例,Child A 11例,B 4例,C 1例であった.十二指腸静脈瘤の局在部位は下行部14例,水平部3例,重複例(下行脚+水平脚)1例で,形態はF1 4例,F2 7例,F3 7例,RCはRC0 13例,RC1 5例であった.供血路は上腸管膜静脈8例,膵十二指腸静脈7例,下腸管膜静脈1例,不明2例,排血路は下大静脈5例,精巣・卵巣静脈5例,腎静脈4例,不明4例であった.治療はIVR14例(BRTO 6例,PTO 6例,DBOE 2例),内視鏡治療3例(CA-EIS 2例,EVL 1例),外科的治療1例であった.BRTOを試みて奏功したのは60%(6/10)で,治療が奏功しなかった症例は,排血路が複数ヶ所ある症例や排血路径が大きい症例であり,PTOやCA-EISにて治療した.一方,PTOの奏功率は100%(6/6)であり良好であった.CA-EISは2例に施行し,1例は緊急例に初回から治療を行い,1例はBRTO困難例に施行した.排血路が複数ある3例ではB-RTOでの治療は困難であり,PTOにて治療した.18例中2例が入院期間中に死亡した.治療後の経過観察中に十二指腸静脈瘤の再発がB-RTOと外科的治療で1例ずつ計2例あり,再度治療を要した.【結論】十二指腸静脈瘤では様々な血行動態を呈するため,それに応じた治療方針の決定が必要である.
索引用語 十二指腸, 静脈瘤