セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

小腸-腫瘍

タイトル 内P-275:

小腸腫瘍に対するシングルバルーン内視鏡検査の有用性についての検討

演者 小形 典之(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
共同演者 大塚 和朗(昭和大横浜市北部病院・消化器センターDELIMITER東京医歯大・光学医療診療部), 林 靖子(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 児玉 健太(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 林 武雅(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 若村 邦彦(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 和田 祥城(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 宮地 英行(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 良沢 昭銘(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 山村 冬彦(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 大越 章吾(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 井上 晴洋(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 工藤 進英(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
抄録 【目的】小腸腫瘍は,従来の内視鏡ではアプローチ困難であったため,内視鏡検査による確定診断が困難であった.しかし,バルーン内視鏡の登場により日常診療において小腸腫瘍の内視鏡的診断が可能となってきている.当院では,2005年より内視鏡本体にバルーンがない簡便な形式であるシングルバルーン内視鏡(SBE)を使用している.今回,小腸腫瘍に対するSBEの検査成績について検討した.【方法】当院にて2005年9月から2013年2月までSBEを施行した368症例561件のうち,小腸腫瘍を認めた症例を対象として検討を行った.【成績】小腸腫瘍は35例(男性21例,女性14例,平均年齢65.6±12.7歳)に認めた.内訳は,小腸癌7例,転移性小腸癌4例,悪性リンパ腫16例,GIST5例,平滑筋腫1例,脂肪腫1例,pyogenic granuloma1例であった.検査契機は,原因不明の消化管出血14例,画像検査異常11例,イレウス10例であった.小腸癌,転移性小腸癌,悪性リンパ腫の27例中23例(85.2%)で生検による確定診断が可能であった.特に悪性リンパ腫では,16例中13例(81.3%)でSBEによる生検にて確定診断が可能であり,診断目的の手術を回避することが可能であった.また,35例中33例(94.3%)で病変へのSBEにて到達が可能であり,病変への術前マーキングも可能で,2例では腹腔鏡補助下での小腸部分切除術が施行された.SBEでは,プローブ型のEUSが可能であり,粘膜下腫瘍の診断に有用な症例も認めた.【結論】小腸腫瘍に対するSBEは,生検による病理確定診断が可能で有用であった.また,SBEによる小腸腫瘍への到達率も良好であり,病変への術前マーキングも可能であった.
索引用語 小腸腫瘍, シングルバルーン小腸内視鏡