セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)小腸-腫瘍 |
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タイトル | 内P-276:内視鏡的粘膜切除術で診断しえた慢性骨髄性単球性白血病の小腸浸潤の一例 |
演者 | 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科) |
共同演者 | 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 北本 博規(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 増尾 謙志(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 松本 知訓(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 今井 幸弘(神戸市立医療センター中央市民病院・臨床病理科) |
抄録 | 症例は70代,男性.2010年2月他院でstageIAの胃癌に対し幽門側胃切除術を施行された.3月に血便があり,上下部消化管内視鏡が行われたが異常を認めなかった.2010年6月に再度血便を認め,内視鏡で精査されたが異常なく,小腸精査目的で当院紹介となった.経肛門的ダブルバルーン内視鏡(DBE)を行ったところ,下部回腸に潰瘍,潰瘍瘢痕多発を認めた.生検結果は非特異的な結果であったが,結核が否定的で,NSAIDsを多用しており,NSAIDs起因性小腸粘膜障害と考えられた.NSAIDsを中止したところ,消化管出血は認められなかったが,貧血が改善しなかった.鉄欠乏はなく,血液疾患が疑われたため,免疫血液内科にコンサルトし,精査した結果慢性骨髄性単球性白血病(CMML)と診断された.2010年12月に経肛門的DBEを行ったところ,潰瘍は改善傾向であった.2012年2月黒色便の出現あり,他院で上部消化管内視鏡が行われたが異常なく,当院に再度紹介された.2012年3月に以前観察していない上部小腸観察目的で,経口的DBEを施行したところ,空腸に周囲が隆起した境界明瞭な潰瘍の多発を認めた.CMMLの浸潤を疑ったが,生検では確定診断を得られなかった.そのため,2012年6月再度経口的DBEを行い,空腸の潰瘍に対し粘膜切除術を行った.組織学的にやや未熟な単球系,顆粒球系細胞が混在しておりCMMLの小腸浸潤と診断した.現在保存的加療で経過観察中であるが,大量出血は認めていない.CMMLの消化管浸潤による消化管出血の報告は多くはないが,致命的となりうる.内視鏡で消化管浸潤を観察した報告は少なく,DBEで小腸病変を観察したのは本症例が初である.今回我々はDBEで観察し,粘膜切除術で診断しえたCMMLの小腸浸潤を経験したので,文献的考察を加え報告する. |
索引用語 | 慢性骨髄性単球性白血病, ダブルバルーン内視鏡 |