セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

小腸-腫瘍

タイトル 内P-278:

小腸腫瘍診断の現状

演者 藤井 宏行(亀田総合病院・消化器内科)
共同演者 土屋 寧子(亀田総合病院・消化器内科), 山内 健司(亀田総合病院・消化器内科), 小林 正佳(亀田総合病院・消化器内科), 角 一弥(亀田総合病院・消化器内科), 白鳥 俊康(亀田総合病院・消化器内科), 平井 満(亀田総合病院・消化器内科), 稲瀬 誠実(亀田総合病院・消化器内科), 岩田 麻衣子(亀田総合病院・消化器内科), 栃谷 四科子(亀田総合病院・消化器内科), 石井 英治(亀田総合病院・消化器内科), 中路 聡(亀田総合病院・消化器内科), 伊藤 裕志(亀田総合病院・消化器内科), 若杉 聡(亀田総合病院・消化器内科), 平田 信人(亀田総合病院・消化器内科)
抄録 【目的】小腸腫瘍に対する術前の確定診断にはバルーン小腸内視鏡(以下BE)下生検が必要であるが,生検で診断困難なことや生検後出血などの問題がある.どのような症状からどの検査を経てBEに至ったのか,またBE下生検の有用性について検討した.【方法】2004年9月~2013年2月の間に,小腸腫瘍(十二指腸を除く)と診断された22症例を対象に受診動機,病変を指摘できた検査について検討を行った.BEで生検を行った17症例の診断率,生検後手術を行った13例の生検と術後病理との一致率・不一致の要因について後方視的に検討を行った.【成績】受診動機は腹痛41%,下血36%,貧血18%,他疾患のフォロー画像異常5%であり,疾患別では悪性リンパ腫/原発性小腸癌で腹痛(43%/100%),転移性小腸癌は貧血(50%),GISTは下血(60%)が最も多かった.最初に病変を指摘した検査はCTが73%と最も多く,各検査の病変指摘率はCT77%(17/22),エコー40%(6/15),透視73%(11/15),MRI71%(5/7),PET-CT78%(7/9),出血シンチ40%(2/5)であった.生検の診断率は73.7%(14/19)であり,悪性リンパ腫86%(6/7),原発性小腸癌100%(4/4),転移性小腸癌75%(3/4),小腸GIST25%(1/4)であった.生検と術後病理との一致率は69.2%(9/13)で,不一致の要因は腫瘍が壊死した部分から生検した事であった.【結論】腹痛や下血,貧血は小腸腫瘍の初発症状の可能性があり,そのスクリーニングにはCTが有用であった.BE下での生検は73.4%と高い診断率を有するが,GISTは出血しやすく生検での診断率も低いため,GISTを疑う粘膜下腫瘍は生検の判断を慎重にすべきと思われる.
索引用語 小腸腫瘍, 生検