セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

小腸-症例その他1

タイトル 内P-280:

R‐Y再建後Y脚吻合部術後出血に内視鏡的クリップにて止血しえた臨床経験

演者 新井 俊文(板橋中央総合病院・外科)
共同演者 仲本 博史(板橋中央総合病院・外科), 小笠原 加奈(板橋中央総合病院・外科), 板垣 亮平(板橋中央総合病院・外科), 新居 高(板橋中央総合病院・外科), 鈴木 純一(板橋中央総合病院・外科), 鈴木 哲郎(板橋中央総合病院・外科), 松本 浩次(板橋中央総合病院・外科), 黒崎 哲也(板橋中央総合病院・外科), 畑中 正行(板橋中央総合病院・外科)
抄録 【はじめに】上部消化管手術や胆道疾患手術の消化管再建には,Roux‐Y再建が施行されることが多い.胃全摘における食道空腸吻合部,胃切除後の胃空腸吻合部出血などは術後早期の合併症として起こり得る可能性があるが,通常の上部内視鏡にて確認しやすく止血処置も内視鏡にて対応可能であることが多いと思われる.ただしY脚吻合部の術後出血に関しては,より肛門側に位置するため特に緊急時には通常上部内視鏡では視認や処置が困難なことが多いと予測される.今回我々は胆嚢癌肝床部切除胆道再建後のY脚吻合部の術後出血に対し,出血部確認とクリップにて止血しえた症例を経験したので報告する.【症例】77歳男性.心筋梗塞治療後のため抗凝固剤を内服している.今回前医において胆石治療のため腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行したが,病理組織検査にてSS胆嚢癌と診断され追加切除目的に当院へ紹介された.手術は肝床部切除肝外胆管切除胆道再建を行いRoux‐Y再建を施行した.Y脚吻合部はAlbert‐Lembert法にて吻合した.術後2日目,出血徴候のないことを確認し抗凝固療法を再開した.経過良好であったが9日目に鮮血性の下血と貧血を認めたため結腸憩室出血を疑い下部内視鏡施行するも出血部位の同定はできず輸血にて対応した.10日目深夜から再下血を繰り返したため,早朝に上部内視鏡を行ったところ十二指腸3rdpartからさらに肛門側にわずかに血液を視認できたため大腸内視鏡に切り替えて再度挿入,120cm付近にY脚吻合部を確認し,oozingと凝血塊を視認できたためクリップにて止血することができた.以後再出血は認めなかった.
索引用語 術後吻合部出血, 内視鏡的止血術