セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)小腸-症例その他1 |
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タイトル | 内P-281:出血を繰り返した小腸多発血管腫に対して内視鏡的硬化療法が奏功した一例 |
演者 | 須田 貴広(大阪警察病院・内科) |
共同演者 | 山口 真二郎(大阪警察病院・内科), 上間 遼太郎(大阪警察病院・内科), 佐藤 克彦(大阪警察病院・内科), 姫野 愛子(大阪警察病院・内科), 占部 真貴子(大阪警察病院・内科), 妻野 恵理(大阪警察病院・内科), 楠本 侑弘(大阪警察病院・内科), 堀江 真以(大阪警察病院・内科), 大嶋 太郎(大阪警察病院・内科), 景山 宏之(大阪警察病院・内科DELIMITER大阪警察病院・ER・総合診療センター), 村田 真衣子(大阪警察病院・内科), 宇田 創(大阪警察病院・内科), 宮竹 英希(大阪警察病院・内科), 水谷 昌代(大阪警察病院・内科), 岡田 章良(大阪警察病院・内科), 河相 直樹(大阪警察病院・内科), 尾下 正秀(大阪警察病院・内科) |
抄録 | 症例は70歳台男性.50歳台に冠動脈バイパス術を施行した.抗凝固薬内服中に下血を認めたが,原因不明であった.2009年に胃噴門部癌に対して胃全摘術(Roux-en-Y再建)を施行された際,小腸・大腸の漿膜面に多数の血管腫を認めていた.2010年10月,2011年4月に貧血の進行を認めたが,輸血のみで経過観察されていた.2012年11月中旬から下血を認めており,下旬に他院受診しHbが5.5g/dlと著明に低下していたため,緊急入院となった.上部消化管内視鏡検査で上部空腸に10mm前後の血管腫が多発していたが,出血部位は同定できなかった.出血シンチで第2空腸枝の領域よりの出血が疑われたため,精査加療目的で12月中旬当科転院となった.カプセル内視鏡を施行したところ,上~中部小腸にかけて血管腫が無数に存在し,上部空腸の血管腫からの出血を認めた.転院後も合計30単位の輸血を要し,黒色便も持続していた.上部空腸の湧出性出血を認めた血管腫に対して超音波内視鏡検査を行い,血管腫が漿膜下ではなく粘膜下層に存在することを確認した後,内視鏡的硬化療法(以下EIS)を施行した.透視下に出血している血管腫を穿刺し造影したところ,一時的に血管腫内に造影剤が留まり,その後排血路が造影された.50%ブドウ糖を注入した後,Ethanolamine Oleate+Iopamiodole(5%EOI)を時間差で複数回注入した.5%EOIが血管腫内にとどまっていることを確認し処置を終了とした.その後,貧血の進行は認めず,食事と抗血小板薬の再開後も貧血の進行はなかったため,退院となった.今回,小腸多発血管腫という非常に稀な疾患に対して,EISにより止血が成功した1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | 小腸多発血管腫, 内視鏡的硬化療法 |