セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

小腸-NSAIDs小腸粘膜傷害

タイトル 内P-291:

当院においてOGIBと診断されシングルバルーン小腸内視鏡検査を施行した高齢者症例の臨床的検討

演者 高山 政樹(近畿大・消化器内科)
共同演者 足立 哲平(近畿大・消化器内科), 峯 宏昌(近畿大・消化器内科), 永田 嘉昭(近畿大・消化器内科), 永井 知行(近畿大・消化器内科), 川崎 正憲(近畿大・消化器内科), 朝隈 豊(近畿大・消化器内科), 櫻井 俊治(近畿大・消化器内科), 松井 繁長(近畿大・消化器内科), 樫田 博史(近畿大・消化器内科), 工藤 正俊(近畿大・消化器内科)
抄録 【背景・目的】高齢者のOGIB(原因不明の消化管出血)は若年者に比べて血管病変が多く服薬症例が多い.特に近年,高齢者においてNSAIDsや抗血栓薬の服薬症例が多くなってきている.そこで今回我々は当院でOGIBと診断されシングルバルーン小腸内視鏡検査(SBE)を施行された高齢者症例について臨床的検討を行った.【方法】対象は2005年7月から2013年1月において当院でOGIBと診断されSBEを施行された高齢者96症例について年齢,性別,基礎疾患,NSAIDs・抗血栓薬の服用歴,病変,病変部位,止血処置についてretrospectiveに臨床的検討を行った.【成績】男性59例,女性37例であり平均年齢は70.8歳.基礎疾患(重複あり)については心疾患:35例 脳梗塞,血管疾患:9例 腎不全:12例 肝疾患:10例 血液疾患:7例 糖尿病:12例 整形疾患:2例 その他:5例 基礎疾患なし:18例であった.NSAIDs・抗血栓薬については抗血栓薬内服患者は40例,NSAIDs内服患者は6例であった.小腸内視鏡検査により検出された病変・部位についてはNSAID起因性小腸粘膜障害:24例(十二指腸上行部:1例 空腸:9例 回腸:14例) Angioectasia:16例(空腸:7例 回腸:9例) 小腸憩室(メッケル憩室):1例(回腸) SMT(血管腫疑い) :2例(空腸:1例 回腸:1例) 空腸癌:1例であった.小腸血管性病変の内止血処置を要したのは12/16症例(APC:7例 クリッピング:5例)であった.NSAIDs・抗血栓薬内服症例は46/96症例で47.9%であった.また小腸内視鏡により検出された病変はNSAID起因性小腸粘膜障害・angioectasiaが40/96症例で41.7%であり大部分を占めており,さらにNSAID・抗血栓薬内服患者の内SBEで病変が検出された症例は41/46症例で89.1%であった.【結論】本検討にてNSAID・抗血栓薬内服中のOGIB症例では約90%で小腸内に病変が指摘されており,積極的に小腸内視鏡検査を行い速やかに加療を行うことが非常に重要であると思われた.
索引用語 OGIB, 小腸内視鏡検査