セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

小腸-NSAIDs小腸粘膜傷害

タイトル 内P-292:

NSAIDs起因性小腸出血の一例

演者 田中 宏典(新宮市立医療センター・内科DELIMITER和歌山県立医大・1内科)
共同演者 西野 雅之(新宮市立医療センター・内科DELIMITER和歌山県立医大・1内科), 梶野 裕之(新宮市立医療センター・内科), 雑賀 麻衣(新宮市立医療センター・内科DELIMITER和歌山県立医大・1内科), 阪口 昭(新宮市立医療センター・内科), 岡井 一彦(新宮市立医療センター・内科DELIMITER和歌山県立医大・1内科), 峯園 浩二(新宮市立医療センター・内科), 赤水 尚史(和歌山県立医大・1内科)
抄録 症例:50歳男性.主訴:腹痛・発熱.既往歴:18歳頃より不明熱・下血を繰り返していたが原因は不明であった.2012年8月上旬歯科治療後に発熱・疼痛が続き,近医処方のジクロフェナクナトリウムを6T/日で内服していた.8月中旬左上腹部痛と下血が出現し,当科受診し十二指腸炎の診断にて入院加療となった.来院時,左上腹部に軽度圧痛を認め,血液検査にてWBC 12700/μL,CRP 12.51 mg/dLと炎症反応の上昇を認めた.腹部CTにて十二指腸から小腸の壁肥厚を認め,絶食,抗生剤治療を開始した.炎症反応は低下し,解熱も認めたが,8月下旬に突然の大量下血認め,緊急上下部内視鏡検査,造影CT検査から上部空腸からの動脈性の出血を認めた.ドクターヘリで大学病院転院後,血管塞栓術施行.その後,カプセル内視鏡検査,上下部ダブルバルーン内視鏡検査で上部空腸に潰瘍病変認めた.歯科治療後のジクロフェナクナトリウム内服,また当院入院後,腹痛時に自己判断にて手持ちのジクロフェナクナトリウム内服継続していたことが判明し,NSAIDs起因性小腸病変と診断した.NSAIDs起因性小腸出血の一例について若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 NSAIDs, 小腸出血