セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

小腸-NSAIDs小腸粘膜傷害

タイトル 内P-293:

カプセル内視鏡検査を用いた高齢者におけるNSAIDs・LDAに起因する小腸粘膜傷害の検討.

演者 鳥井 淑敬(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科)
共同演者 芳野 純治(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 乾 和郎(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 若林 貴夫(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 三好 広尚(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 小林 隆(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 小坂 俊仁(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 友松 雄一郎(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 山本 智支(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 松浦 弘尚(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 成田 賢生(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 森 智子(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 安江 祐二(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 黒川 雄太(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 細川 千佳生(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科)
抄録 【目的】CEを用いて高齢者におけるNSAIDs,LDAの服用による薬剤起因性小腸粘膜傷害についての検討と,通常型のNSAIDsとCOX-2選択的阻害薬を服用している患者における小腸薬剤性粘膜傷害の2項目についての検討を行った.【対象と方法】対象は当院で実施したCE75例の中で,65歳以上の高齢者のCE症例49例について検討した.その中で,NSAIDs服用群(NSAIDs群)19例とLDA服用群(LDA群)9例,NSAIDs・LDAのどちらも服用していない群(対照群)11例に分けて小腸粘膜傷害の詳細を検討した.【結果】当院で実施したCE症例の中で65歳以上は65.3%(49/65例)であった.この中で61.2%(30/49例)にNSAIDs,またはLDAの服用が認められた.今回の検討では,小腸粘膜傷害はNSAIDs群では84.2%(13/18例),LDA群では80%(7/9例),対照群では18.1%(2/11例)に認められ,NSAIDs群とLDA群は対照群に比して高率に病変が認められた(P<0.05). NSAIDs群では出血性潰瘍・輪状潰瘍・多発びらんなどの多彩な病変が認められたが,LDA群・対照群ではびらん・発赤のみであった.NSAIDs群ではNSAIDsの中止や他剤への変更,防御因子増強薬の投与などの治療を要した例は9例(50.0%)であったが,LDA群では1例(11.1%)で対照群では認められず,NSAIDs群では治療を要する例が多くみられた (P<0.05).また,通常型NSAIDs服用群では有所見率は15例のうち13例(86.7%),治療は8例(53.3%)に必要とした.一方,COX-2選択的阻害薬服用群の有所見例は4例のうち3例(75.5%)に認められ,その全例に治療が必要となった.【考察】NSAIDs ,LDAが服用されている症例は高齢者に多かった.NSAIDsが投与されていた例では多彩な病変が認められ,治療が必要な例が多かった.LDA群では小腸粘膜傷害は軽微であった.COX-2選択的阻害薬は通常型NSAIDsと同様,高率に小腸粘膜傷害を認めた.
索引用語 カプセル内視鏡検査, 薬剤起因性小腸粘膜傷害