セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)小腸-NSAIDs小腸粘膜傷害 |
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タイトル | 内P-295:NSAIDs長期内服中の高齢者における小腸粘膜傷害の特徴-当科におけるカプセル内視鏡施行例の検討から- |
演者 | 中野 誠(広島大病院・内視鏡診療科) |
共同演者 | 岡 志郎(広島大病院・内視鏡診療科), 田中 信治(広島大病院・内視鏡診療科), 亘 育江(広島大病院・消化器・代謝内科), 青山 大輝(広島大病院・消化器・代謝内科), 吉田 成人(広島大病院・内視鏡診療科), 上野 義隆(広島大病院・内視鏡診療科), 伊藤 公訓(広島大病院・消化器・代謝内科), 北台 靖彦(広島大病院・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科) |
抄録 | 【背景と目的】高齢者におけるNSAIDs起因性小腸粘膜障害の実態は不明な点が多い.今回,高齢者におけるNSAIDs起因性小腸粘膜傷害の臨床的特徴を非高齢者と比較し検討する. 【対象と方法】2006年4月から2012年1月までに当科でカプセル内視鏡検査 (CE) を施行した全1020例のうち,3ヶ月以上NSAIDs (アスピリン内服例は除く) を内服中で,他疾患による小腸病変が除外された69例 (全CEの7%,男性24例,女性45例,平均年齢65歳) を対象とした.これらを高齢者群(65歳以上: A群)44例(男性14例,女性30例 平均年齢74歳)と,非高齢者群(65歳未満:B群)25例(男性10例,女性15例,平均年齢49歳)に分類し,各群別にCE検査動機,血液検査所見(Hb,血清鉄,フェリチン),内服中のNSAIDsの種類,小腸病変の有所見率,小腸病変の内訳,ルイススコアを検討した.【結果】検査動機は,A群:Overt OGIB 21例(48%),Occult OGIB 22例(50%),その他1例(2%),B群:Overt OGIB 10例(40%),Occult OGIB 5例(10%),その他10例(40%)で,両群間に差を認めなかった.NSAIDsの種類は,A群:COX2阻害薬7例,それ以外37例,B群:COX2阻害薬7例,それ以外17例で,両群間に差を認めなかった.Hb値(g/dl)は,A群10.8,B群11.4,血清鉄値(μg/dl)はA群48,B群65,血清フェリチン値(ng/ml)は,A群111,B群362 で,血清フェリチンがA群で有意に低かった.小腸病変の有所見率は,A群50%(22/44),B群56%(14/25)で,小腸病変の内訳は,A群:発赤7例 (26%),びらん7例 (26%),潰瘍10例 (48%),B群:発赤7例 (47%),びらん7例 (47%),潰瘍1例 (6%)で,いずれも両群間に差を認めなかった.ルイススコアは,A群(766±278)がB群(223±106)より有意に高かった.【結語】NSAIDs長期内服例における小腸粘膜傷害の頻度は高齢者と非高齢者で差を認めなかったが,小腸粘膜障害の程度は高齢者で重度であった. |
索引用語 | NSAIDs, 高齢者 |