共同演者 |
藤田 篤代(中江病院・内科), 熊本 光孝(中江病院・内科), 神津 知永(中江病院・内科), 加藤 寛正(中江病院・内科), 松山 健次(中江病院・内科), 巽 陽一(中江病院・内科), 大林 倫子(中江病院・内科), 淀澤 美樹子(中江病院・内科), 清水 達也(中江病院・外科), 中江 聡(中江病院・外科), 中江 遵義(中江病院・内科) |
抄録 |
【症例】75歳,男性.【主訴】便秘.【既往歴】73歳,74歳 小腸イレウス(保存的加療).近医で精神安定剤及び大建中湯,下剤内服.腹部の手術歴はない.【現病歴】2013年1月下旬に便秘・腹部膨満感にて来院.腹部CTでは宿便はあったが,明らかなイレウスの徴候はなかった.繰り返し小腸イレウスをくりかえしており,小腸病変を考えられカプセル内視鏡検査を考えたが,小腸の狭窄病変の存在が懸念された.そのためパテンシーカプセルをあらかじめ施行した.開通性が承認され,5日後に直接カプセル内視鏡検査を施行した.カプセルは翌日に排泄が確認された.カプセル内視鏡検査所見で,空腸に多発性の潰瘍を伴う狭窄病変を認めた.そのためひき続き経口的ダブルバルーン内視鏡検査を施行し,同病変が確認された.生検所見では非特異的炎症所見で,肉芽腫,悪性細胞は認められず抗酸菌培養は陰性であった.非特異的小腸潰瘍症として経過を観察している.【結論】パテンシーカプセルにより本症例の様に,多発性狭窄を有する症例でも開通性が承認されれば,カプセル内視鏡に施行可能であり,パテンシーカプセルは有用な手段と考えられた. |