セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

小腸-カプセル内視鏡1

タイトル 内P-300:

クローン病に対するピルカムパテンシーカプセルでの開通性と小腸X線造影所見の比較

演者 大門 裕貴(福岡大筑紫病院・消化器内科)
共同演者 矢野 豊(福岡大筑紫病院・消化器内科), 金城 健(福岡大筑紫病院・消化器内科), 佐藤 祐邦(福岡大筑紫病院・消化器内科), 松嶋 祐(福岡大筑紫病院・消化器内科), 別府 孝浩(福岡大筑紫病院・消化器内科), 久部 高司(福岡大筑紫病院・消化器内科), 平井 郁仁(福岡大筑紫病院・消化器内科), 松井 敏幸(福岡大筑紫病院・消化器内科)
抄録 【背景】ピルカムパテンシーカプセル(PPC)導入前はカプセル内視鏡(CE)の滞留が危惧される症例に対し消化管開通性評価は主に小腸X線造影にて行っていたが,PPCの導入より低侵襲に,小腸の開通性評価が可能となった.特にCDは腸管合併症として腸管狭窄を有しCE前の開通性確認が必須であるが狭窄との関係は明らかではない.【目的】CDに行った小腸X造影所見とPPCでの開通性評価の関係を明らかにすること.【対象】2012年8月から2013年3月までに当院でCDに対してPPC行い,小腸X線造影にて腸管の狭小化の有無を確認でき開通性の比較可能な18例を対象とした.【方法】小腸X線造影での腸管狭小化の程度をFukuoka index(FI)(0点=狭小化なし,1点=狭小部が正常腸管の1/2以上ある,2点=狭小部が正常腸管の1/2未満,3点=口側腸管の拡張を伴う狭窄)にてスコア化し,狭窄スコアと狭窄数とPPCでの開通性の有無を検討した.【成績】対象18例のうちPPCにて開通性が確認できたものは16例(89%)で,30時間内に原形のまま体外に排出した例は8例,30~33時間にX線検査にて確認したものが8 例であった.小腸X線造影で腸管狭小化は11例(61%)に認め, FI1点は4例, FI2点は5例, FI3点は2例であり, PPCで開通性を認めなかったのは, FI3点の2例であった.つまり,小腸X線造影にてFI2点以下の16例全例がPPCで小腸の開通性が確認された.小腸X線造影で認めた狭窄数は,4か所未満が7例で4か所以上は4例であり,4か所以上の腸管狭小化を持つ4例のうち2例がPPCでは開通性を認めなかった.PPCで開通性を認めたがCE行わなかった症例は3例で肛門狭窄1例,大腸狭小化2例であった.【結論】小腸X線造影で口側腸管の拡張を伴う狭窄に対してはPPCでは開通性は得られなかった.FI 2点以下で狭窄が3か所以下である症例は全例小腸の開通性が得られたが,CDは大腸や肛門に狭窄を有する場合があるため,小腸のみならず大腸や肛門などの開通性も考慮にいれるべきである.
索引用語 PPC, 小腸造影