セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
小腸-カプセル内視鏡2
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タイトル |
内P-303:当院の小腸カプセル内視鏡検査の現状
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演者 |
藤塚 宜功(東海中央病院・消化器内視鏡センター) |
共同演者 |
大塚 裕之(東海中央病院・消化器内視鏡センター), 水谷 泰之(東海中央病院・消化器内視鏡センター), 石川 英樹(東海中央病院・消化器内視鏡センター) |
抄録 |
【目的】当院において約5年間に施行した小腸カプセル内視鏡検査(VCE)についての統計とNSAID,抗凝固剤内服症例においての異常所見の検討を行った.【対象と方法】観察期間は2008年4月から2013年1月とした.全件数は126件で症例数では112例,男性72例,女性50例で平均年齢は52.3±14歳であった.VCE検査目的として原因不明の消化管出血(OGIB)77件,貧血12例,腹痛9例,腸閉塞8例,その他が20例であった.出血の誘因となり得る薬物の投与歴は全47例に認め主なものとして低用量アスピリンが22例,NSAID 13例,硫酸クロピドグレル7例,ステロイド剤内服を6例,ワルファリンカリウム5例,塩酸チクロピジン4例であった.【結果】全症例の有所見率は116例(92.1%)であった.OGIBの有所見率は97.4%であったがその他の検査目的例においても有所見率は83.7%と高かった.所見の内訳はred spot 48例(38.1%),erosion 38例(30.2%),lymphangiectasia 30例(23.8%),angioectasia 22例(17.5%),潰瘍 22例(17.5%),出血10例,輪状狭窄9例,ポリープ6例,粘膜下腫瘍疑い6例,憩室2例,腫瘍2例,回虫,条虫がそれぞれ1例であった.薬物投与例の有所見率(93.6%)と薬物投与歴のない群の有所見率(93.7%)に差は認めなかった.NSAID内服例の有所見率は92.3%,低用量アスピリン内服例の有所見率は95.4%であった.所見別での検討結果,angioectasiaにおいて薬物なし群と薬物投与群間(P=0.00097),またNSAID群と薬物なし群間(P=0.045)で有意差を認め,erosionにおいてNSAID群と薬物なし群間(P=0.021)に有意差を認めた.【結論】当院におけるVCEにて有所見率は一般的に報告されている検出率と比較しても良好でありOGIB以外の目的においても高い有所見率が得られOGIB以外へのVCE適応の有用性が示唆された.また薬物投与例では有意にangioectasiaを多く認め,特にNSAID投与例においてはangioectasia,erosionが有意に多くその粘膜障害性の高さを認めた. |
索引用語 |
小腸カプセル内視鏡, NSAID |