セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

小腸-カプセル内視鏡2

タイトル 内P-307:

小腸疾患におけるパテンシーカプセルの有用性についての検討

演者 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科)
共同演者 細谷 和也(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 南出 竜典(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 北本 博規(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 佐竹 悠良(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科)
抄録 【目的】2012年7月よりパテンシーカプセルで消化管開通性を確認することにより,小腸疾患が疑われる症例全てにカプセル内視鏡(VCE)が施行可能となった.適応拡大に伴うリスクの軽減のため,開通性を適切に評価することが重要であり,パテンシーカプセルの有用性,問題点を明らかにしたい.【方法】2012年8月~2013年3月に当院でパテンシーカプセルを使用した14例について目的,開通性評価方法,結果,続いて施行したVCEの結果,合併症について検討した.【成績】症例は男性11例,女性3例,年齢26~68歳であった.検査理由はクローン病小腸病変精査9例,原因不明の消化管出血3例,ベーチェット病疑い1例,蛋白漏出性胃腸症疑い1例であった.クローン病以外の5例のうち3例は癒着性イレウスの既往,1例はNSAIDs潰瘍疑い,1例はベーチェット病疑いのためにパテンシーカプセルを使用した.嚥下33時間後の評価時に既に排出された症例は7例(50%),腹部単純写真で大腸内と判断した症例は3例(21.4%),腹部CTで大腸内と確認した症例は1例(7.1%)で,3例(21.4%)は腹部単純写真で小腸内に残存しており開通性なしと判断した.パテンシーカプセルの排出が確認できた11例の排出時間は39.9±9.7時間であった.高齢の1例は嚥下時間を間違えたため評価時間の変更が必要であり,検査法を患者に充分理解してもらう必要があると考えられた.開通性ありと判断しVCEを施行した11例全例でカプセル内視鏡は排出され,滞留は1例もなかった.クローン病でVCEを施行しえた7例のうち6例は小腸病変がない,もしくは良好にコントロールされていることが確認でき,1例は活動性小腸病変があったため追加治療を決定することに寄与した.【結論】適切なパテンシーカプセル使用により,VCEを用いて安全に小腸疾患の精査を行うことができ,非常に有用である.
索引用語 パテンシーカプセル, 小腸