セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
小腸-カプセル内視鏡2
|
タイトル |
内P-309:当院におけるパテンシーカプセルの使用経験
|
演者 |
可児 和仁(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科) |
共同演者 |
加藤 真吾(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 屋嘉比 康治(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科) |
抄録 |
【背景及び目的】2012年7月狭窄,狭小化をきたす小腸病変精査としてパテンシーカプセルによる開通性評価が保険適応となった.当院でのパテンシーカプセル及びその後のカプセル内視鏡使用経験について,有用性や問題点について検討する.【方法】2013年2月までに28人に対しパテンシーカプセルを使用し,その後,20例にカプセル内視鏡を施行した.開通性の評価,合併症について検討した.【結果】男女比は,男:女=17:11,平均年齢39歳で,手術歴は9例あり,そのうち3例は人工肛門増設術後であった.疾患別としては,クローン病18例,クローン病疑い2例,NSAIDs起因性小腸潰瘍疑い1例,小腸潰瘍精査3例,小腸腫瘍精査1例,リンパ腫1例,腹痛精査1例,好酸球性胃腸症1例であった.1例は嘔吐反射強く内服できなかった.10例(36%)は評価時にパテンシーカプセルの排出がなく,腹部単純レントゲンを施行し,2例は大腸内,1例は単純CTにて大腸内にあり,開通性ありと診断した.開通性を認めない7例のうち,2例は腹部X線検査でも確認できず,5例は腹部単純X線で小腸内にパテンシーカプセルを認め,そのうち1例は嘔気が出現,残りの1例は入院加療が必要なイレウスとなった.開通性ありと判断したのは20例(71%)であり,その後,カプセル内視鏡を施行した.カプセル内視鏡の結果は,小腸の有所見率は13例(65%)であった.その内訳は,リンパ管腫,吻合部潰瘍,敷石像,縦走傾向のびらん及び潰瘍,炎症性ポリープを認めた.【考察】人工肛門増設術などの術後でも,パテンシーカプセルを使用することで開通性の評価ができた.パテンシーカプセルを用いることにより,クローン病の診断,治療評価や腹痛や小腸腫瘍の精査が安全に施行可能であった.しかし,パテンシーカプセルにより加療が必要なイレウスを引き起こす可能性があり,注意が必要である. |
索引用語 |
カプセル内視鏡, パテンシーカプセル |