セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

小腸-炎症性腸疾患

タイトル 内P-313:

クローン病患者に対してCT enterography後にカプセル内視鏡を施行した3例の検討

演者 白木 学(四日市社会保険病院・IBDセンター)
共同演者 山本 隆行(四日市社会保険病院・IBDセンター), 梅枝 覚(四日市社会保険病院・IBDセンター), 松本 好市(四日市社会保険病院・IBDセンター)
抄録 [はじめに]平成24年7月からクローン病・クローン病疑診例に対して開通性評価用崩壊性カプセル(PillCam® パテンシーカプセル)・カプセル内視鏡が施行可能となり,低診襲な方法での診断・経過観察に対する有用性が期待されている.今回当科でCT enterography (CTE)後カプセル内視鏡施行に同意したクローン病5症例のうちパテンシーカプセルが30時間以内に排出された3症例について検討した.[症例1] 15歳女性.平成24年3月から左下腹部痛と下痢,熱発・体重減少が出現し,当科外来を受診した.CTEと下部消化管内視鏡でクローン病と診断した.寛解導入後にCTEを施行したところ,終末回腸腸管壁の軽度の壁肥厚を認めた.カプセル内視鏡では指摘された部位に縦走潰瘍瘢痕を認めた.[症例2]19歳男性.難治性痔瘻のために平成24年12月に当院外科紹介となった.下部消化管内視鏡でクローン病と診断され,小腸病変精査の為に当科紹介となった.CTEでは骨盤内回腸に壁不聖像と狭小化,また回腸の別の部位にはcomb signと変形・狭小化を認めた.カプセル内視鏡では前者の部分に敷石像を認め,後者の部分に軽度の狭窄を認めた.[症例3]22歳男性.平成24年10月に複雑痔瘻のために当院外科紹介となった.この手術に際し,直腸・肛門管の潰瘍からクローン病と診断された.小腸病変の精査のために当科紹介となった.当科でCTEを施行したところ小腸には異常を認めなかったが,カプセル内視鏡では回腸に散在するびらんを認めた.[考察]CTEで病変を指摘された部位に対してはカプセル内視鏡でも同様の部位にクローン病の所見を認めた.またCTEでは特に所見を認めなかった部位でもカプセル内視鏡で微小なびらんを指摘しえた.パテンシーカプセルが滞留した2例についてはCTEで壁肥厚のある部分に滞留しており,クローン病と診断されていてCTEで壁肥厚の認める症例についてはカプセル内視鏡の慎重な適用が必要と思われた.
索引用語 CT enterography, カプセル内視鏡