セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

小腸-炎症性腸疾患

タイトル 内P-314:

クローン病(CD)小腸病変に対するパテンシーカプセル内視鏡の有用性と内科的治療の限界

演者 吉村 透(名古屋大大学院・消化器内科学)
共同演者 大宮 青木(名古屋大大学院・消化器内科学), 中村 正直(名古屋大大学院・消化器内科学), 水谷 太郎(名古屋大大学院・消化器内科学), 山村 健史(名古屋大大学院・消化器内科学), 石原 誠(名古屋大大学院・消化器内科学), 山田 弘志(名古屋大大学院・消化器内科学), 名倉 明日香(名古屋大・光学医療診療部), 舩坂 好平(名古屋大・光学医療診療部), 大野 栄三郎(名古屋大・光学医療診療部), 宮原 良二(名古屋大大学院・消化器内科学), 川嶋 啓揮(名古屋大大学院・消化器内科学), 伊藤 彰浩(名古屋大大学院・消化器内科学), 廣岡 芳樹(名古屋大・光学医療診療部), 渡辺 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 安藤 貴文(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大大学院・消化器内科学DELIMITER名古屋大・光学医療診療部)
抄録 【目的】クローン病に対して,パテンシーカプセルの開通性確認後にカプセル内視鏡が可能となり,深部小腸病変の薬物効果判定も的確かつ非侵襲的となった.今回パテンシーカプセル,カプセル内視鏡の有用性と薬物効果判定について検討した.【方法】対象は自主研究および2012年7月以降パテンシーカプセル施行のクローン病31例(男21例/女10例,年齢37.8±12.3歳).内視鏡的重症度はルイススコア,Capsule Endoscopy Crohn’s Disease Activity Index (CECDAI)で評価した.【結果】パテンシーカプセルの33時間以内の開通率は71%(目視8例,単純XP14例,CT9例).内視鏡的バルーン拡張後と狭窄形成術後では有意にパテンシーカプセルの開通性が低下していた(40%,0%,P=0.022,0.027).カプセル内視鏡施行22例中,抗TNFα抗体製剤・免疫調整剤併用群2例,抗TNFα抗体製剤単独群6例,免疫調整剤単独群6例,未使用群8例の粘膜治癒率は50%, 17%, 67%, 13%,ルイススコアは300±424, 963±1567, 196±377, 763±610,CECDAIは11±15, 11±8, 5±10, 7±8.ルイススコア,CECDAIにおいて血清CRPと相関(r=0.395,0.514),血清アルブミン値と逆相関(r=-0.336,-0.651)を認めた.CRP正常者17人中ルイススコア150点以上は41%,CECDAI1点以上は59%認めた.ルイススコア,CECDAIはCDAI,IOIABと相関を認めなかった.【考察】クローン病深部小腸病変の評価にパテンシーカプセル,カプセル内視鏡は有用で,抗TNFα抗体製剤,免疫調整剤の治癒効果の限界が示された.
索引用語 クローン病, カプセル内視鏡