セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
小腸-炎症性腸疾患
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タイトル |
内P-315:当院でのクローン病におけるカプセル内視鏡検査の施行状況
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演者 |
金城 健(福岡大筑紫病院・消化器内科) |
共同演者 |
矢野 豊(福岡大筑紫病院・消化器内科), 大門 裕貴(福岡大筑紫病院・消化器内科), 佐藤 祐邦(福岡大筑紫病院・消化器内科), 松嶋 祐(福岡大筑紫病院・消化器内科), 平井 郁仁(福岡大筑紫病院・消化器内科), 松井 敏幸(福岡大筑紫病院・消化器内科) |
抄録 |
【背景】当院では2007年9月にカプセル内視鏡(CE)を導入後,2013年3月までにクローン病(CD)に対して31件(26症例)施行している.2012年7月より全小腸疾患に対してCEが保険適応となり,CD小腸病変に対する検査法の一つとなったが,CDにおけるCEの所見や使用例について検討は少ない.【目的】当院でのCD小腸病変に対するCE状況を検討し,明らかにすること.【対象】2007年9月から2013年3月の期間にCEを施行され,最終的にCDと確定診断された31件のうち,便で観察不十分であった1件と胃内に10時間滞留した1件,ストーマの1症例を除外した28件(24症例)を対象とした.対象の内訳は男女比15:13,平均年齢31.5±14.6歳,病型は小腸型6例,小腸大腸型13例,大腸型9例,であり,手術歴有5件(17.9%),前処置はセンノシド3件,モサプリド5件,前処置なし20件であった.【方法】CDにおけるCEで描出される特徴的な画像所見と前処置別によるCEの通過時間を検討した.【結果】大腸未到達は11件(35.5%)で,胃通過時間は44±40分で小腸通過時間は239±77分であり,CEの滞留例はなかった.前処置別にセンノシドでは小腸通過時間は272±104分で大腸未到達は1例,モサプリドでは小腸通過時間は180±50分で大腸未到達は1例,前処置なしでは小腸通過時間は252±76分で大腸未到達は6例であった.画像所見として有所見率24/28件(85.7%)であり,アフタ12例,びらん9例,ノッチ6例,小潰瘍12例,敷石像5例,縦走潰瘍4例(重複症例あり)が主に描出可能であった.また治療前後のCD粘膜評価が2症例で確認できた.【考察】CEは低侵襲な検査であり,安全に使用可能で小腸病変の確認や治療前後の評価にも有用である.また,当院では小腸造影X線検査を施行し,高度な狭窄例を認めた場合はCEを避け,滞留例はない.今後,更なるCDにおける前処置やパテンシーカプセルも含めたCEの安全性や画像所見を検討し,積極的にCEを行うことにより,CDの早期発見やアウトカムに寄与する可能性がある |
索引用語 |
クローン病, カプセル内視鏡検査 |