セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)小腸-バルーン内視鏡 |
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タイトル | 内P-316:当院における小腸内視鏡症例の臨床検討 |
演者 | 杉村 美華子(国立仙台医療センター・消化器内科) |
共同演者 | 岩渕 正広(国立仙台医療センター・消化器内科), 野口 謙治(国立仙台医療センター・消化器内科), 阿子島 裕倫(国立仙台医療センター・消化器内科), 山尾 陽子(国立仙台医療センター・消化器内科), 吉田 はるか(国立仙台医療センター・消化器内科), 鵜飼 克明(国立仙台医療センター・消化器内科), 田所 慶一(国立仙台医療センター・消化器内科) |
抄録 | 【背景】小腸内視鏡の普及により,以前は困難であった小腸病変の観察が可能となり,診断,治療に関与できるなど有用性が示されている.【目的】当院におけるダブルバルーン内視鏡検査(以下DBE)施行症例の現状を把握し,臨床検討を行うことを目的とした.【対象】当院において2010年11月から2013年2月までにDBEを施行した21例28件(経口16件,経肛門11件,外科術中例1件)を対象とした.【結果】DBE施行の理由は,上下部内視鏡検査を施行しても原因が明らかでない消化管出血(OGIB)が9例15件と最も多く(54%),小腸腫瘤の疑いが6例,腹痛が3例4件,水様下痢,蛋白漏出性胃腸症の疑い,クローン病がそれぞれ1例ずつであった.検査の有所見は,OGIBでvascular ectasia2例,小腸潰瘍3例,転移性小腸腫瘍1例,空腸動脈瘤1例であった.水溶性下痢,小腸腫瘤疑いで施行した例は,顆粒球肉腫1例,Follicular lymphoma 1例,B cell lymphoma 1例,空腸GIST 1例,管状絨毛腺腫1例,腸管リンパ管拡張症1例であった.所見が明らかでなかったのは6例であった.全症例中,カプセル内視鏡(以下CE)を施行した症例は12例で,OGIBでは9例中8例で施行し,そのうえでDBEを施行していた.CEとDBEとの所見の一致率は66%であった.DBEで処置を施行したのは,vascular ectasia2例に対してアルゴンプラズマ凝固(以下APC)施行1例,クリップ止血1例,小潰瘍からの出血例に対してAPC施行1例であった.空腸動脈瘤,小腸腫瘍に対しては,内視鏡治療困難と判断して外科手術を行った.OGIBでDBEを経口,経肛門両方を繰り返し施行した3例のうち,1例は原因を特定できず,1例はvascular ectasiaに対してAPCを施行,1例はNSAIDs内服例で全小腸にわたり小びらんが多発していた.【結語】DBEは,OGIB精査目的施行例が9例と最多であり,3例に内視鏡治療が可能であった.また小腸腫瘤性病変などの存在診断に関しても非常に有効であり,今後も日常臨床に重要な役割を果たすと考えられる. |
索引用語 | 小腸, ダブルバルーン内視鏡 |