セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

小腸-バルーン内視鏡

タイトル 内P-317:

ダブルバルーン小腸内視鏡検査(DBE)導入初年度に当院で施行した28例の検討

演者 山岡 正治(茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター・消化器内科)
共同演者 藤枝 真司(茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター・消化器内科), 天貝 賢二(茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター・消化器内科), 石橋 肇(茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター・消化器内科), 賀古 毅(茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター・消化器内科), 大関 瑞治(茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター・消化器内科), 荒木 眞裕(茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター・消化器内科), 五頭 三秀(茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター・消化器内科)
抄録 【目的】当院では2012年4月にDBEを導入した.導入初年度に施行した症例を検討し問題点や本地域の必要性等を検討した.【方法】2012年4月から2013年3月まで当院にてDBEを施行した28件(23例)について検討した.【結果】平均年齢63歳(26-82歳),男女比(13:10).DBEの適応は原因不明の消化管出血(OGIB)8例(35%),手術(再建術)後の黄疸8例(35%),腫瘍疑い4例(17%),狭窄疑い2例(9%)等であった.腫瘍は5例(22%)で,悪性リンパ腫2例,癌の浸潤2例,過誤腫1例であった.非腫瘍は18例(78%)で,総胆管結石5例,Crohn病4例,術後狭窄3例(癒着性2例,胆管空腸吻合部1例),出血3例(NSAIDs潰瘍2例,リンパ管腫1例),小腸結核1例等であった.DB-ERCPを10件(8例)に施行し9件で目的達成できた.処置については,全症例のうち生検を9例(39%)に行い,治療を14例(61%)に行った.治療内容はEPBD9件,採石術5件,ステント留置術5件,止血術3件,EMR1件,バルーン拡張1件であった(合併症なし).検査時間は平均62.9分(28-128分)であった.【考察】DBEの適応に関してMitsuiらの報告(Mitsui et al. Gastrointest Endosc 2009)では, OGIB44.3%,狭窄症状11.9%,疾患のDBEによる評価または治療11.5%,腫瘍疑い9.0%とあり,当院も概ね同様の傾向であった.DBE導入に際する問題点として検査時間が長かったこと,経験とマンパワーの不足が考えられた.6件(21%)は途中まで一人法で行わざるを得なかったことや22件(79%)は術者+初期研修医での二人法であったため,可能なら経験者による二人法が望ましい.当院でDBEを行う意義について,手術(再建術)後の黄疸8例中3例は抗血栓薬の内服があり,緊急でPTCDは行えず,DB-ERCPとステント留置が有用であった.また出血3例への止血術も有用であった.【結論】当院にてDBEを導入した初年度の問題点と課題を検討した.特に止血や減黄など緊急性を要する症例については当院でDBEを行う意義があった.
索引用語 ダブルバルーン内視鏡, DBE導入