セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-IBD2

タイトル 内P-327:

関節リウマチを合併した潰瘍性大腸炎3症例の治療経験

演者 澁川 成弘(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科)
共同演者 阿部 友太朗(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 井上 貴功(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 大西 幸作(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 岩谷 修子(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 田畑 優貴(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 野崎 泰俊(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 井上 浩一(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 石井 修二(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 西山 範(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 葛下 典由(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 春名 能通(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 藤原 弘士(大阪府立急性期・総合医療センター・免疫リウマチ科), 井上 敦雄(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科)
抄録 【はじめに】潰瘍性大腸炎(UC)の腸管外症状として関節症状はよく知られているが,関節リウマチ(RA)の合併はまれとされる.2009年1月以降に当科で治療歴のあるUC患者のうちRA合併例を3症例認めたため報告する.【症例1】40歳代女性.全大腸炎型UCに対し5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤,RAに対しアダリムマブ(ADA),ブシラミン,メトトレキサート(MTX)を投与され,ともに寛解維持されていた.2012年5月,当センター産婦人科で子宮頚部上皮異型成と診断され,周術期にADAを休薬したところ再燃した.5-ASA注腸,連日顆粒球除去療法(GMA)を行い一旦は臨床的寛解となるも2か月後に再燃し,ステロイド大量静注療法を行い粘膜治癒に至った.【症例2】50歳代女性.2011年1月,血便にて当センター免疫リウマチ科より当科紹介され,下部消化管内視鏡検査(CS)で直腸炎型UCと診断されたが症状が軽微であったため経過観察となった.RAに対しトシリズマブ投与され,UCに対しては無投薬で2011年10月には粘膜治癒に至り,以後再燃なく経過している.【症例3】50歳代男性.2010年12月,当センター免疫リウマチ科より消化管精査の依頼ありCSで全大腸炎型UCと診断された.5-ASA製剤投与にて寛解維持されていたが,2012年2月,血小板減少が遷延するため薬剤性を疑い中止したところ再燃した.また,RAに対してはMTXを投与されていたが,同様の理由で中止したところ再燃した.その後も血小板減少は改善なく他院血液内科へ紹介し,精査にて骨髄不全と診断しタクロリムス開始され,両疾患とも寛解導入された.【結論】RAを合併したUCを3症例経験した.両疾患には治療薬剤に共通点も多く,主治医間でのより綿密な連携が必要であり,示唆に富む経過と考え文献的考察を含め報告した.
索引用語 関節リウマチ, 潰瘍性大腸炎