セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-IBD2

タイトル 内P-328:

経過中に若年性ポリープを認めた潰瘍性大腸炎の2例

演者 鈴木 翔(宮崎大・消化器血液学)
共同演者 山本 章二朗(宮崎大・消化器血液学), 上原 なつみ(宮崎大・消化器血液学), 竹田 幸子(宮崎大・消化器血液学), 宮原 晶子(宮崎大・消化器血液学), 夏田 朱一郎(宮崎大・消化器血液学), 阪口 舞(宮崎大・消化器血液学), 橋本 神奈(宮崎大・消化器血液学), 山路 卓巳(宮崎大・消化器血液学), 安倍 弘生(宮崎大・消化器血液学), 三池 忠(宮崎大・消化器血液学), 頼田 顕辞(宮崎大附属病院・病理部), 下田 和哉(宮崎大・消化器血液学)
抄録 【初めに】若年性ポリープは主に幼児,小児に好発し,組織学的には拡張した嚢胞状の腺管を特徴とする大腸のポリープである.要因として,弧発性や炎症の関与が挙げられているが,その中でも潰瘍性大腸炎(UC)合併例が増加している.今回,若年性ポリープを認めたUCの2症例を経験したので報告する.【症例1】15歳,男性.13歳発症の全大腸炎型のUCで,発症時,ステロイド,5-ASA製剤,血球成分除去療法にて寛解し,CS上もMatt's grade3→1に改善した.当時,ポリープは指摘されていなかったが,発症1年3ヶ月後のCSで横行結腸肝弯曲部に径20mm大のIpポリープを認めた.頭部は発赤イクラ状で,茎部から基部の粘膜は顆粒状であり,インジゴカルミン散布では頭部は腫大したpit構造であった.内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行し,病理組織診断は若年性ポリープであった.【症例2】31歳,男性.11歳発症の全大腸炎型のUCで,再燃を繰り返す度にステロイド内服加療を受けた.当科初診時のCSではMatt's grade3であり,横行結腸右側に径3mm大の発赤したIs型ポリープを認めた.9ヶ月後のCSでポリープは径約5mm,Isp型であり,大きさ,形状が変化していた.その後,インフリキシマブ(IFX)を導入し,当院初回CSより約1年後(IFX3回投与後)のCSではUCは改善傾向を示していたが,既知のポリープは径約1.3cmに増大しており,頭部は発赤調で星芒状や延長したpitを呈していた.EMRを施行し,病理組織診断は若年性ポリープが示唆される所見であった.【まとめ】UCの経過中に若年性ポリープを認めた2症例を経験した.1例目はUCの経過中に発生し,2例目は経過中に増大傾向を示した.各々罹患期間や活動性などに相違がみられたが,ともに1年に満たない短期間でポリープに変化を認め,非常に興味深い経過と考えられた.今後UC症例の増加に伴い,さらに若年性ポリープの発見される機会が増えると思われ,文献的考察を含めて報告する.
索引用語 潰瘍性大腸炎, 若年性ポリープ